向井山朋子(1963年和歌山県新宮生まれ、アムステルダム在住)は、音楽、映像、パフォーマンス、インスタレーションなど多領域を越境する表現者として知られ、その活動は一貫して、アート表現の拡張とタブーへの挑戦であり、観る者、体験する者に深い内省や感情の揺らぎをもたらす作品を発表し続けています。
向井山にとって美術館で初の大規模個展となる本展は、アーツ前橋の6つギャラリーを地下劇場に見立てた回廊型インスタレーションです。シルクドレスの迷宮《wasted》(2009年)、3.11の津波で破壊されたグランドピアノを用いた《nocturne》(2011年)、映像詩《ここから》(2025年)など、新旧のアートワークが再構築されます。
タイトルの“Act of Fire”は、本展が向井山の身体と記憶に深く根ざす喪失・抵抗・怒りを燃焼させる儀礼的な空間であると同時に、ジェンダー不平等、激甚化する自然災害、終わりなき侵略といった現実世界の問題を、〈火〉という根源的なメディアによって照らし出していく行為を示唆しています。[公式サイトより]