日本では、赤は特別な意味をもつ色として古くから重んじられてきました。
これは単にその鮮やかさが目を引くという理由だけではありません。太陽や火、血液などを連想させることから、生命の力強さや活力を象徴すると同時に、魔除けの力を宿す神聖な色と考えられてきたためです。
そうした背景もあって、赤い色は儀式や行事で用いられ、時には装いや食べものまで、その鮮やかな色彩が活用されてきました。
本展示では、私たちの身の回りにある赤い色がいかなる「ちから」を秘め、人々の暮らしや文化の中でどのような役割を果たしてきたのかを、さまざまな視点からご紹介します。