この度、iwao galleryにて[Blue Pearl: with respect and gratitude to Kosho Ito]堀江ゆうこ写真展を開催する。

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ある日、タイムラインに流れてきた一枚の画像に目を止めた。伊藤公象の作品《Blue Pearl》がひとつ、波打ち際に置かれていた。この画像は誰が撮影したのか。何のために撮影したのか。
――そんな疑問が湧いた。
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その疑問をたどるようにして、本展の企画は始まった。

堀江は2009年、伊藤公象(1932–2024)の作品と出会った。それまで堀江は写真とは無縁だったと言う。2013年、《Blue Pearl》をめぐる撮影の旅が始まった。自然の中で変化し続ける作品にレンズを向け、〝命の襞〟を感じ取りながら撮影を重ねてきた。伊藤公象の言葉「堀江さんはアースワークをされているのですね」を静かに胸に刻み、堀江は自身のまなざしを通して《Blue Pearl》に新たな息吹をもたらした。

作家・堀江ゆうこは、伊藤公象の作品に出会わなければ誕生しなかっただろう。そして、堀江の作品を通して、私たちは再び《Blue Pearl》を見つめ直すことになる。

本展では、堀江自身がコレクションしてきた約50点の《Blue Pearl》を用いたインスタレーションと写真作品を展示する。伊藤公象への敬意と感謝、そして自然と作品、人間のあいだに流れる〝命の襞〟を写し取った、静謐でありながら力強い展示空間となるだろう。