「やさい室」は、アコースティック楽器を用いた作編曲を基軸に幅広い創作活動に取り組む矢野耕我、独創的な重力や時間の解釈を取り入れた「新しい風景画」を描く真田将太朗、録音と再生によって生じる音響空間に着目し、立体音響を特徴とした制作を行う池田翔の3名のアーティストによるインスタレーション制作チームです。

今展は、東京藝術大学在学中より学内で発表を続けてきた「やさい室」の、学外での初展示の場となります。

この展示は、ギャラリー全体とその周辺を、海上を航行する船の内部を思わせる空間として構成されています。
音、光、絵画、そして観客の行為がゆるやかに影響し合い、ひとつの環境として呼吸するように変化していきます。
中央には本物の船のハンドルが設置され、その回転によって音楽や照明のリズムが変わります。
みなさんは操舵者として空間を動かしながら、同時にその変化の中に身を委ねる存在です。
壁面に並ぶ絵画は、船の窓のように外の海を映し出します。
絵そのものは変わりませんが、周囲の音と光によって見るたびに異なる表情を見せます。
『BRIDGE』は、船と陸、内と外、そして人と環境のあいだに架けられた一時的な橋です。
作品を見ることが「渡ること」と重なり、その行為のなかで新しい風景が立ち上がっていく瞬間にご案内いたします。


ぜひご高覧くださいませ。