17,000を超える島々からなるインドネシアは世界最大の群島国家であり、現在でも数百をかぞえる民族が暮らす多民族国家としても知られています。 これらの民族が歩んできたのは、インドや中国をはじめとするアジア諸国との交易、イスラム文化の渡来、そしてオランダ商船の来航といった出来事が もたらした、植民地化、 民族独立運動、さらには第二次世界大戦中の日本軍による占領とその後の完全独立といった歴史でした。 こうした異国とのせめぎ 合いの中で、 外来文化の影響を受けながらも民族ごとの特色が際立つ染織文化が形成されていきました。
かすりおりとりわけ「イカット」の名前で総称される絣織は、 地域・民族ごとに異なる技法や文様により伝えられているものです。 一方、 「バティック」 として知られるろう けつ染では、驚くほど緻密に描かれた文様が、ヨーロッパ、中国、日本など諸外国のデザインと融合しながら展開する様子がみられます。
女子美染織コレクション展Part13では、本学が創立100周年記念美術資料収集拡充事業の一環として収集したイカット類と、 竹内葉氏旧蔵のバティック コレクションを中心に、 手仕事の中で受け継がれてきたインドネシアの技法とデザイン、 南洋の色彩豊かな染織品の数々をご紹介します。

【 関連イベント】
●ワークショップ●インドネシアのバティックを着てみよう! インドネシア・ジャワ島のバティックの文様に触れながら、 実際に着装し、展示資料への理解を深めるワークショップです。 男性・女性・お子様用の3種類をご用意しています。
日時:11月8日(土)・11月15日 (土) 13:30~15:00
会場:女子美アートミュージアム ロビー
対象:小学生以上
※参加費無料 ・事前申込不要

●講演会 ●バティックを語る、バティックが語る
長年バティック制作やその調査研究に従事された伊藤ふさ美氏と、本学で染色分野を担当する荒 姿寿准教授に、 バティックの技術や歴史、 その現状などについて対談形式でお話しいただきます。
講師:伊藤ふさ美 (染色作家・一般社団法人異文化伝統工芸交流協会理事)
荒姿寿 (女子美術大学准教授)
日時:12月13日 (土) 14:00~15:30
会場: 女子美術大学 相模原キャンパス10号館1階
1011スタジオ (美術館建物内)
※参加費無料・事前申込不要

●学芸員によるギャラリートーク●
展覧会担当学芸員が展覧会の見どころを解説します。
開催日:11月12日 (水) 14:00~/12月10日 (水) 14:00~
※参加費無料・事前申込不要