2025年11月07日掲載
髙屋ハジメ展
京都トアロード画廊
- 会期
- 2025年12月16日~2025年12月26日
カルーセル
【近作についての解題】
2020年以降の私の絵画制作は、明らかに静物画とわかるスタイルを採用しています。以前はモチーフを単体で描くことが多かったのですが、静物を組むことでのモチーフ同士の干渉や、それこそ絵画として破綻しかねない空間の矛盾に興味をそそられたことが、その動機としてあるように思います。
そもそも私は10代の頃からキュビズムに異様なまでに惹かれ、それは今でも変わることがありません。ただそれは考え方に惹かれたのであって、様式美としては意識的に避けるようにしてきました。その表現方法の代替として、モチーフの下に鏡を敷くことであらゆる角度からの観察ができるようにしているわけです。
絵画空間の成立と絵画空間の外側への延長を同時に目ざそうとしている点も、空間の矛盾を生みます。写実的な観察から絵画をスタートさせていることは、あくまでも経験や知性のリセットということなので、絵が写実的に見えても実は画面を整えることを目的にはしていません。むしろひたすら掘り下げていくことしか目的にしていません。なので、作品の一つ一つは私の意思で筆を置いたものですが、私にとって一つの作品の完成は、ある種の不誠実さを孕むものなのかもしれません。空間の掘り下げの過程で、存在感の代替要素としての直線や色面が現れることは、予測はしていますが計画性はありません。
モチーフ選びは、自然物と人工物の組み合わせや、過去や古代を連想させるものと現代や未来を連想させるものの組み合わせを意識的に行っています。しかし、絵画空間の掘り下げの過程で、それらのモチーフに付与された意味がすべて消え去るようにしています。その部分の象徴性は、私の絵にとってきっかけではありますが本質的ではないからです。
今回の個展の「Z軸方向に未踏の山があるとする」というタイトルには、絵画においてごくごく普遍的な“平面なのにそこに奥行きを表現する矛盾”という理念を込めました。Z軸とは、座標のX軸Y軸に対するZ軸です。Z軸方向を歩んだ先にはまだ見ぬ山が、そしてその頂を目ざすことで、見たことのない景色に出会えるのではないかという期待や喜びを表しています。鑑賞者には、私のまなざしの追体験をしていただければと望んでいます。
- 展覧会名
- 髙屋ハジメ展
- 分類
- 企画展
- 会場
- 京都トアロード画廊
- 会期
- 2025年12月16日~2025年12月26日 Googleカレンダーに登録📅
- 開館時間
- 12:00〜18:00
- 休館日
- 12月22日(月)
- 観覧料
- 無料
- 住所
-
606-8164 京都府京都市左京区一乗寺出口町22
- 公式サイト
- https://torroad-gallery.rgr.jp/kyoto.html
- 公式SNS
- お問合せ先
- 京都トアロード画廊
〒606-8164 京都市左京区一乗寺出口町22
TEL 075-202-5975


