「本展タイトルは、私が死や老い、淘汰への恐怖、敗北や挑戦そのものへの怯えに直面しながらも「負けない/折れない/立ち上がり続ける」意志を呼び覚ますためにつけました。古くから時代ごとに異なる役目を担ってきた仏画。神仏の不在が語られる現代でなお仏画を描く理由を見出せるか、を動機として、概念としての“死”を征伐する『大威徳明王』、三世の煩悩を断つ『降三世明王』、不動の心を象徴する『不動明王』の姿を、自分自身の意志と対峙させ制作いたしました。」 (山中智郎)

山中智郎は、人が生まれながらに抱える欲求や衝動に向きあい、その葛藤の先にある力強さや美しさを可視化しようと努めています。人々が信仰し文化と規範の礎としてきた仏教の神仏を基盤に、現代的な漫画・アニメの表現技法を駆使し、現代ならではの新たな意味を託して再臨させます。
この機会に是非ご高覧ください。