笹村節子は、長い人生の中で折り重なってきた心の景色——
少女期にみたとりとめのない夢、都会でふと覚えた孤独、
言葉にできず沈んでいった感情など、
内側に残った“心象風景”をモチーフに制作を続けてきました。
銅版画を学んだのち、近年はアクリル画へと表現を広げ、
新しい画材やモチーフを探りながら模索を続けています。
“アートというラビリンスに迷い込んでしまった” と語る作家の視線は、
いまも次の扉の先にある風景へ向けられています。
本展「ラビリンス」では、空想と心象が交わる世界が、
繊細な線とやわらかな色彩によって静かに立ち上がります。
閉じかけた扉の前で、もう一度ひらかれていく感情。
新しい冒険へ踏み出すときの、ささやかなワクワクや揺らぎ。
作家の内面で起きている変化が、そのまま作品に息づいています。
人生の旅の途中でひらいた“もうひとつの冒険”。
迷宮の奥で出会う風景を、ぜひご覧ください。

作家プロフィール
笹村 節子(ささむら せつこ)
1951年 群馬県出身。
2011年より自己流でパステル・アクリルを用いた空想的な絵画を描き始める。
2020年、銅夢版画工房に入会し銅版画を学ぶ。
心象風景を中心に、夢・孤独・都市の記憶をテーマとした作品を制作。
現在はアクリル画へ表現の幅を広げ、画材やモチーフの“冒険”を続けている。

【主な展示】
2021年 第20回 銅夢版画展(銀座シロタ画廊)
2022年 国分寺銅版画くらぶ グループ展(国分寺くるみギャラリー)
2023年 第21回 銅夢版画展(銀座シロタ画廊)
2023年 初個展「私の中の彼女へ」(国分寺くるみギャラリー)
2024年 版画・グループ展(国立ギャラリー)

【SNS】
Instagram:https://www.instagram.com/setsuko_sasa/