1920年代のパリと1950年代以降のニューヨーク、この二つの都市で創作活動をし、さらに1935年には目黒区自由が丘にアトリエを構えて活動した画家・岡田謙三(1902-1982)。その作風はこれらの都市での経験に影響を受けながら形作られていきました。
岡田は、東京美術学校(現 東京藝術大学)入学から約2年後の1924年にパリへ渡ります。...
1927年の帰国後は、戦前から戦後にかけての時代のうねりの中で、これまで培ってきた技巧や様式から離れ、新たに実験の日々を積み重ねていきます。戦後早々に見据えていた渡米を1950年に実現させると、ニューヨークでは抽象表現主義の画家と交流を持ちながら、やがて、淡い色面を組み合わせる独自の作風を確立させました。自身の根源的な感性への回帰の中に築き上げた静謐で力強い表現は、パリとニューヨーク、そして目黒のアトリエでの模索の日々を抜きに語ることはできないでしょう。 本展は、岡田の画風の変遷を三つの都市での経験からたどります。[美術館サイトより]