根付とは、印籠や煙草入れ、巾着などを帯から提げるために用いられてきた、日本独自の留め具です。
実用品でありながら、そこには技巧や洒落、験担ぎや遊び心が込められ、江戸の人々の美意識を映す存在でもありました。
関根蕪は、そうした根付文化を背景に、鹿角をはじめとする自然素材と向き合いながら、
根付制作で培われた彫刻技術を軸に、平面・立体の双方へと表現を広げてきた現代の根付師です。

本展では、
* 根付の参考展示
* 和装小物の展示販売
* 根付を主題とした南画(新作3点を予定)
* 猫を描いた水墨画
* 鹿角レリーフ作品
* 根付材を用いたアクセサリー作品

などを展示・紹介します。
猫を描いた水墨画以降の作品については、前回の展示から選んだ数点を中心に構成し、
南画およびアクセサリー作品については、新作を交えて展示予定です。
根付という小さな造形を起点に、
素材、線、かたちがどのように展開していくのか。
江戸文化の余韻を、現代の表現として垣間見る展示となります。

【特別来廊イベント/2026年2月8日(日)14:00~16:00】
会期中の特別企画として、
浅草見番所属の幇間(ほうかん)・桜川七助師匠が、着物姿で来廊予定です。

実際に根付を身につけた装いをご覧いただける、貴重な機会となります。

【作家プロフィール】
関根 蕪(せきね・かぶ)
根付師。国際根付彫刻会会員。
日本橋三越をはじめ、呉市立美術館、ミュージアム都留など各地で展示。
「ゴールデン根付アワード」新人賞・優秀賞受賞。
近年は水墨画にも取り組み、素材と技法の多面的な展開を続けている。

【展覧会概要】
* 展覧会名:根付師 関根蕪 作品展「江戸を垣間見る」
* 会期:2026年2月6日(金)~2月11日(水・祝)
* 開場時間:12:00~18:00
* 会場:Gallery SPACE8510-2
 (2026年2月より Gallery NOOOG)
* 入場料:無料