先輩画家佐伯祐三に憧れて同じ町内に住む喜びをこの下落合の高台のアトリエに見出した梅津五郎は、ここで新境地を示す晩年の作品群を生み出す。「昼の月」「緑色の太陽」「新宿の夜の灯」などの傑作群がここから生み出される。ビルや住宅地が折り重なるように画面の下三分の一ほどに描かれ、空が大きな部分を占める。時の移ろい、季節の移ろいに合わせて変幻する空の超現実的・神秘的ともいえる風景を悠揚たるスケールでとらえた作品群である。アトリエの眼下に広がる現実的な街並みと、超現実的な空の描写が一つの画面で独特な世界を主張している。