ウクライナの民話絵本『てぶくろ』で知られるロシアの画家エフゲーニー・ラチョフ(1906-1997)は、リアルな動物たちに民族衣装を着せ、人間の性格を巧みに重ね合わせた独自の動物民話を数多く描きました。代表作である『てぶくろ』は、日本では1965年に内田莉莎子の翻訳で刊行されて以来、世代と国境を超えて子どもたちに読み継がれています。2022年にロシアがウクライナへ侵攻し、今なお戦争終息の兆しが見えないなか、『てぶくろ』は、ウクライナという国を身近に感じる絵本、共生と平和を考えるきっかけとなる絵本として、改めて注目されています。
本展では、生誕120年を記念して、ロシアとウクライナ、ふたつの国に暮らし、その生涯を子どものための絵本に捧げたラチョフの全コレクション作品を展示します。
あわせて、ラチョフが生きた、ふたつの大戦と革命、世界初の社会主義国家の誕生と崩壊という激動の時代のロシアの絵本の歴史をひもとくとともに、ちひろ美術館コレクションのなかから、色あせない魅力を放つ東スラブの民話の世界を紹介します。

<関連イベント>
●講演会「ラチョフと絵本『てぶくろ』の魅力」
日時:4月11日(土)14:00~15:30
講師:松本猛(ちひろ美術館常任顧問)
参加費:1000円(入館料別)・オンライン700円
申し込み: 要事前予約(3/11より公式サイト、TEL.にて)
生前のラチョフと交流のあった松本猛が、スライドを使いながら、絵本『てぶくろ』や彼の作品の魅力を語ります。