この度HAGIWARA PROJECTSでは、3月7日(土)より横井七菜による個展「春の水」を開催いたします。弊ギャラリーでは、5年ぶり2度目の個展となります。
横井はこれまで、主にドローイングを軸に作品を発表してきました。画面には、少年や少女、虫や鳥、ろうそくや炎といったモチーフが、繊細かつ丹念な線によって描き出されます。それらは物語の断片を思わせながら、かすかな不穏さを帯びた幻想的な世界を立ち上げます。余白を活かした構成と、そこで起こっている事象の張りつめた空気感が、鑑賞者の想像力を静かに喚起し、物語への意識を呼び覚まします。

横井は、日々のささやかな出来事や心の揺らぎといった、小さく不確かなものに光をあてています。物語性と瑞々しさ、そして緊張感を内包した画面を通して、それらを確かな存在へとすくい上げます。高い描写力と寓話的な感性が交差することで立ち上がる詩的な世界は、観る者それぞれの内面と静かに響き合うでしょう。

本展では、新作ドローイングに加え、近年あらためて取り組み始めたキャンバス作品もあわせて展示いたします。線描を基盤としながら、支持体の違いによって生まれる表現の広がりをご覧いただけましたら幸いです。

横井 七菜 (よこい なな)
2006年多摩美術大学絵画学科油絵専攻卒業。主な展覧会に「ボーダー / 距離」(2023、 長野)、 「Super Open Studio」 LUCKY HAPPY STUDIO (2022、神奈川)(個展)、 「Crumble」HAGIWARA PROJECTS (2021、東京)(個展)、「small good things」 HAGIWARA PROJECTS (2018、東京)、 「Powder」 Wako Works of Art (2012、東京)、 「インシデンタル・アフェアーズ うつろいゆく日常性の美学」 サントリー 美術館天保山 (2009、大阪)、 「from/to #4」 Wako Works of Art (2008、東京)、 「Naïve Art VIII」 Pepper’s Loft Gallery (2004、東京)など。