近年、三重県内で行われた発掘調査の成果を、遺跡の出土品、写真、解説パネルを通して紹介します。今回の展示では、三重県埋蔵文化財センターが保管する考古資料の中で、令和6年度に報告書が刊行された田辺城跡、中館遺跡、薦生遺跡、鵜殿西遺跡から出土した遺物を展示します。

1)田辺城跡(いなべ市北勢町田辺)
田辺城跡は安土桃山時代の山城跡です。天正14(1586)年に織田家家臣の木造長政により築城されたと考えられています。木造氏は4年で岐阜へ移住したため、城の利用期間は短かったと考えられます。調査では、土塁や堀のほか、蔵と考えられる石敷きの遺構が見つかりました。出土した陶磁器などを展示します。
2)中館遺跡(伊勢市本町・一志町・八日市場町)
中館遺跡は戦国時代から安土桃山時代の遺跡です。中世以降、中館遺跡を含む“山田”は外宮の門前町として大いに栄えました。遺跡からは、多量の土師器や陶磁器が出土しました。これらの土師器や陶磁器などの一部を展示します。
3)薦生遺跡(名張市薦生)
薦生遺跡は奈良時代から室町時代の遺跡です。調査では、桁行10間(約30m)の奈良時代の大型掘立柱建物が見つかりました。このような建物は官衙や寺院など限られた場所でしか見つかっていません。古代の交通路に伴う公的施設の可能性があります。出土した瓦器や陶磁器などを展示します。
4)鵜殿西遺跡(南牟婁郡紀宝町鵜殿)
鵜殿西遺跡は熊野川の河口左岸に位置する中世から近世にかけての集落遺跡です。調査では、12世紀前半から16世紀代の掘立柱建物39棟が確認されました。これらの建物は溝で区画された土地の中に建てられており、立派な屋敷であったと考えられます。出土品には各地で作られた土師器や陶器に加え、中国産の白磁や青磁などもみられます。これらの一部のほか、石鍋などを展示します。