本展は、落語を手がかりに江戸時代の暮らしと文化を「目」で見て「耳」で聴く体感型の展覧会です。
落語の祖と言われている安楽庵策伝(あんらくあん さくでん1554-1642)が美濃国(現在の岐阜県南部)出身だということをご存知でしょうか。策伝は、話が上手な僧侶で説法にユーモアを織り交ぜ、聴衆にわかりやすく語ったことで人気を集めました。近世の話芸が広がる中で、江戸時代に独自の発展を遂げた芸能のひとつが落語です。
落語の特徴は、噺家(はなしか)が語りと所作だけで物語を紡いでいく点にあります。小道具は、扇子と手ぬぐいのみ。そこから聞き手の想像力によって物語が幾重にも広がっていくことが、大きな魅力といえるでしょう。
今回取り上げるのは、いわゆる伝統芸能としての「古典落語」です。その多くは江戸が舞台になります。「棒鱈(ぼうだら)」や「時そば」などの噺を起点として、江戸時代の徳利やうどん鉢などの食器、生活にまつわる灯明具や鬢盥(びんだらい)などの道具をあわせて展示します。また、現在も岐阜県東美濃地方に息づく地歌舞伎も関連資料として紹介します。
落語に親しんでいる方も、これから知る方も、面白く、そして楽しく、江戸の暮らしと文化の探索へ。さあ、落語でトリップしましょう。