美術の魅力や価値は時代によって変わります。例えば伊藤若冲は、明治時代から根強い人気があった画家ですが、サイケデリックアートも流行していた1970年、辻惟雄氏の著書『奇想の系譜』によって、その鮮烈で奇異な表現が注目されました。...
蘆雪も同様です。明治36年(1903)の藤岡作太郎の『近世絵画史』では、ときにアイディアと構成力は応挙を上回ると評価され、大勢いる応挙の弟子の中で呉春とともに真っ先に挙げられながらも、「覇気」が溢れ出てしまい応挙のような落ち着きや深みがない、と書かれています。ところが、辻氏の本ではその「覇気」が逆に奇想として注目され、一躍、日本美術のスターの一人になったのです。
そして21世紀。たくさんのキャラクターや動物が人気を集める時代にあって、蘆雪のもう一つの魅力が脚光を浴びるようになりました。それが「かわいい」です。...
かわいいものに加えて、風景や人物、ファンタスティックな世界など、蘆雪の絵画は多彩です。東京で64年ぶりとなるこの蘆雪展では、春の江戸絵画まつりで注目してきた蘆雪のさまざまな創作を振り返りつつ、「21世紀の蘆雪」をお楽しみいただきたいと思います。[美術館サイトより]
前期:03月14日(土)~04月12日(日)
後期:04月14日(火)~05月10日(日)