磯谷博史は東京藝術大学で建築を学んだのち、同大学大学院およびロンドン大学ゴールドスミス・カレッジで美術を学びました。磯谷が用いる写真や彫刻、そしてドローイングは、静止した過去の記録ではなく、観賞者と現在を共有する〈出来事としての作品〉として振り付けられ、空間に据えられます。
本展「回復」では、二つの主要な作品シリーズが展示されます。写真作品《パンゲアの破片》は、第二次世界大戦末期に破壊されたオーストリア・ロースドルフ城の陶磁器片を、ミルクに浮かべ撮影したものです。...
一方、陶芸作品《活性》は、釉薬を纏わない素焼きで焼き締められた作品です。その素材には、磯谷が購入し集めた約5000年前の土器片が用いられています。...
二つの作品が共有するのは、破壊を沈黙のままにせず、断片に潜む記憶や創造性を現在のうちに呼び起こし、新たな思考へと接続していく姿勢だと言えます。〈なおすこと〉は〈つくること〉へと連なりうる。本展は、その回路を作品と鑑賞者の関係のなかに提示します。[美術館サイトより]