MOMENT Contemporary Art Centerでは、2026年4月25日(土)から7月5日(日)まで、奈良出身、在住の作家・赤松加奈による個展「やわらかなランドスケープ」を開催いたします。

赤松は、生と死や自然と人工など、相反するものが日常のなかでバランスをとりながら存在する姿を抽象化した絵画作品を制作しています。描く場面やモチーフを一度コラージュにし、そこから自身のイメージへ再構成するという過程を経ることによって、植物や建物、人など個々のかたちが鋭く切り出され、画面上に緊張感のあるバランスを生んでいます。また赤松は高校やフリースクールで美術教師として勤務するほか、家業である農業、育児など、作家としての活動と並行してさまざまな役割を担ってきました。このような制作と生活の往還のなか、昨年農業からはなれたことをきっかけに、複数の役割を生きる自身のあり方について意識を向けるようになります。「あらゆる役割から外れてしまった私は、私そのものに戻ったような気がする。」と語る赤松は、このできごとをきっかけに「じぶん」「いのち」「そだてる」をキーワードとして、2026年1月になら歴史芸術文化村にて「真ん中と端っこのわたしたち」を開催しました。

本展はこうした彼女の近年の意識を引き継ぎつつ、制作をさらに他者との関わりへとひらいていく試みです。会期前半の4月25日(土)から5月27日(水)までは滞在制作を行い、会場内をアトリエとして公開します。作家在廊時には制作過程に立ち会うことができるほか、キャンバスに自由に絵を描き加えることのできる参加型の取り組みも予定しています。5月30日(土)からは、こうした滞在制作と共同的なプロセスを通じて生まれた新作を中心に展示します。そのほか、赤松が娘と共作したドローイングや過去のコラージュ作品群も紹介します。

タイトルにある「ランドスケープ」は、風景や景観を意味するだけでなく、建築などの分野においては、周囲の自然もふくめて設計された空間を指す言葉でもあります。本展は人々が訪れ、赤松自身や作品と出会うことによって、ゆるやかに景色をかえていく場として機能します。