KAAT神奈川芸術劇場の劇場空間と現代美術の融合による新しい表現を展開する、KAAT独自の企画シリーズ「KAAT EXHIBITION」。第11回目は、神奈川ゆかりの彫刻家・三沢厚彦と棚田康司による、当劇場で開催される初の彫刻展です。三沢は、樟から等身大の動物を彫り出す「ANIMALS」シリーズでよく知られ、棚田は一木造りを用いて、少年少女など境界に漂う人物を彫り出しています。

演出される彫刻 彫刻される劇場
静と動が越境し、劇場という存在を彫り出す

本展は、普段は美術館と劇場という異なる場で展開される彫刻と演劇の存在を問い直すとともに、その境界を越境する試みとなります。彫刻と演劇は、共に古来より、人間の内面的な意識や感情を伝える表現として、身体を通して生み出されてきました。現実をより象徴的に置き換えることでリアリティを持たせる点においても、共通点が見出せます。
今回展示するのは、さまざまな動物の要素が一つの体に存在する三沢のキメラ像や、人間を超えた存在である精霊や霊魂の姿を彫り出そうとした棚田の人物像です。越境しようとする彫刻たちが、生きた人間が動き、表現する「動」の場で、静かに佇みながら、劇場という存在を彫り出す姿をお楽しみください。