いわさきちひろは生前、エッセイや日記、手帳などに、数々のことばを遺しました。そこには、創作への信念や日々の暮らし、家族への思いなどがつづられています。
 ちひろは戦争のなかで、一度は夢を見失いますが、戦後、再び描く情熱を取り戻し、子どもの本の画家として歩み始めました。1968年に絵本『あめのひのおるすばん』で絵と文の両方を手がけてからは、「絵とことばとが一体となった本をつくりたい」と語り、絵本の可能性を追求していきます。年代を追って、絵とことばを合わせ見ると、移り変わる時代のなかで模索しながら、自らの表現を見出していくちひろの姿が浮かび上がります。本展では、遺されたことばを手がかりに、ちひろの人物像や創作の軌跡をたどります。