フォーカス
マレーシア発「KLDW 2009(クアラルンプール・デザイン・ウィーク)」
中西多香
2009年04月01日号
マレーシアの国家的行事へ
KLDWの第一回のテーマ「SHOW + SHINE」には、他の国のデザイン業界では、現在何が起こっているのか、ということを、マレーシアの人々に実感してもらい(SHOW)、同時に、国内のデザイナーにスポットを当て、彼らの活動や作品を通じて、自分たちの国のデザインが、これからどう輝いていく(べきな)のか(SHINE)ということを共有してもらいたい、という主催者側のメッセージが込められている。「そのための仕掛けとして、多岐にわたるプログラムを準備しました。このイベントがきっかけとなり、デザインに対する人々の意識が高まることを期待しています」。とイズルディン氏。来年は、開催期間も一ヶ月たっぷりとる予定だ。より長く、多くの人の「デザイン」への認識を喚起しながら、政府を巻き込んだ形で、KLDWそのものを「マレーシアの国家的行事」へと成長させ、世界のデザイン界でのプレゼンスも上げていきたいという。
イベントに参加した若いクリエイターたちや観客は、みないい意味でピュアに反応し、この機会を楽しんでいるように見えた。イズルディン氏が願うように、このイベントがひとつのきっかけとなり、恐らくこの国に合った速度での、知識や経験、そして技術と、さまざまな側面でのデザインの底上げが進んでいくだろう。“マレーシア・オリジナル”のデザインも、そうした背景から、まさに今、生まれつつあるのかもしれない。
イベント情報
KL Design Week2009
2009年3月27日〜4月4日
http://www.kldesignweek.com/