早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
- 更新日
- 2024年04月11日
1928年に坪内逍遙により創立されて以来、アジアで唯一の演劇専門博物館として、古今東西の演劇・映像に関する資料を約100万点所蔵しています。当館ではこうした膨大な資料を中心とするさまざまなテーマの展覧会や演劇講座などを開催しています。
また、学生や一般の方に広く門戸を開放し、図書資料や視聴覚資料を閲覧に供しているほか、浮世絵をはじめとする資料のデジタル化とインターネット上での公開にも取り組み、演劇・映像文化の普及に貢献しています。
169-8050 東京都新宿区西早稲田1-6-1 早稲田大学内
2024年4月26日(金)18:00~21:00(開場17:30)
無声映画に命を吹き込む活動弁士。
かつて映画に「音」が無かったころ、人々はスクリーンの傍らでナレーター的な役割を担う弁士の語りと生の演奏により映画を鑑賞していました。
この度、早稲田大学とUCLAとの共同連携事業である柳井イニシアティブは、4月5日より全米4都市(ニューヨーク、ワシントンD.C.、シカゴおよびロサンゼルス)と本学にてThe Art of the Benshi 2024 World Tourを開催します。本学での公演は米国各都市を3週間かけて巡るツアーの最終公演となります。代表的な小津安二郎作品の他、演劇博物館所蔵の『生さぬ仲』、UCLAにて新たに修復された作品『Sweetie』や、日系移民による最古の映画作品『刀の誓い-The Oath of the Sword』等、数々の貴重な無声の映像に、日本を代表する3名の弁士がそれぞれ、臨場感溢れる言葉で語りかけます。さらに、弁士の語りに合わせた豪華な生演奏もお楽しみいただきます。
3名が一つの作品を同時に演じる「声色掛合」にて上映するニつの作品も見どころの一つです。
是非この機会に無声映画と弁士の世界をお楽しみください。
2024年5月7日(火)18:30~20:30
サイレント時代の日本では弁士の語りだけでなく多彩な声の文化が映画上映を演出していました。演劇映像学連携研究拠点は2018年度以来、演劇博物館所蔵のサイレント映画を用い、かつての多彩な上映スタイルを「再現」する試みをおこなっています。2024年度には義太夫入りの上映に光を当てます。
この催しは、演劇博物館所蔵の『朝顔日記』といった「旧劇映画」の義太夫入り上映を実現するための考証プロセスをワークショップとして公開するものです。参考上映として、弁士出身の新東宝元社長・大蔵貢が1962年におこなった義太夫上映の収録音声を、国立映画アーカイブが所蔵フィルムに合成した『旧劇 太功記十段目 尼ヶ崎の場』を鑑賞します。調査報告やこれらの上映を手掛かりとして、どのような課題や可能性があるのか、義太夫三味線演奏者の鶴澤津賀寿氏を招いて検討します。
なお、本イベントにおける鶴澤津賀寿氏の演奏はありません。
2024年5月17日(金)18:30~20:30(開場18:00)
坪内逍遙によるシェイクスピアの全訳完成から100年近くになりますが、その翻訳は古くはなっていないと思います。『ハムレット』を中心に、シェイクスピアの舞台に対する逍遙の感性の鋭さと原文の解釈の凄みに迫ってみたいと思います。