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アートピクニック ON THE WEB 1 中山ダイスケ

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――さて、いいかげんにアートの話しないと怒られそうだけど……。

あんまりしないでいいですよ。NYであんまりアート見てないし。
去年なんか、一年間で〈MoMA〉1回、〈グッゲンハイム〉2回、〈ホイットニー〉0回という始末。
ギャラリーも知り合いのオープニング程度。
いつかNYを離れる時が来たら、死に物狂いで見るんでしょうね。もったいないし。博物館は好きで、アメリカ自然史博物館はよく行きます。
ところで来週は念願のヒューストン宇宙センター行って来ます。

映画は安くて手ごろで、そこらじゅうにシアターがあるので、毎週のように観てます。
ライブやクラブ、へんなポエトリー・リーディング(詩の朗読っぽいショウ)にもけっこう行ってます。
近所でいろんなことやってくれるのは、NYの狭さのおかげです。しかもこのエリアはラッキーなロケーションだし。


――最近は、小沢剛さんとの2人展「クロスカウンター」(岡本太郎美術館)がありますね。
本来なら帰国したかったんでしょうが、文化庁のシステムの問題で結局、日本にある作品をNYから展示指示して、展覧会に仕上げたんですよね。帰国できないことを、ヴィデオのメッセージで上映したり、カタログに経緯を発表したり、と美術館側も一所懸命中山さんの状況説明をしようとしてたと思うけど。実際にはやっぱり来られないってフラストレーションたまる??

そりゃやりづらかったですけど、美術館がこの時期にどうしても実現させたかったみ たいだし、小沢さんもこのタイミングが都合良かったようで、それじゃ将来のために 大きいショウを遠隔操作で試してみようという気になって引き受けました。場所は何 度も見ていたし、僕は設置業者に決まった東京スタデヲさんが好きで、しかも担当が 白井君という以前ICCで組んだことのある信頼のできる人だったので、とても楽しく できました。

――小沢さんとはまったく水と油というか、まったく共通点がないと前から言ってましたけど、やっぱり2人展をやってみてもそうですか? 展示では完璧に分かれていたけど、それぞれの作品がどんな風に見えるか観客の反応とか意識してる??

ショウの形式を2個展式にした時点で、僕は自分のスペースに責任を持てばいいとい うシンプルな形になりました。ただ、100%のお客さんが僕のショウの前後に小沢展 と岡本太郎さんの常設展を見ることは決まっているので、そのあたりとのバランスは 自分なりに考慮してみました。

――この展覧会って岡本太郎との2人展ともいえると思うけど、岡本太郎は好きな作家? どんなところが(YES/NOのどちらでも)?? もし、生きていたらどんなお話しますか?
今度やるなら誰と2人展したいのかな??

好きな作家、YESです。ただ、もし御健在でも会うことはないと思います。僕は超天 才肌の人に会うのが 苦手です。そういう人に会うと、普段の何倍もエネルギー使っ て緊張して、いつも頭が異常に疲れるので、できるだけ離れることにしています。太 郎さんに全部エナジー吸い取られちゃいそうですし。太郎さんの本はいろいろ読んだ し、作品もたくさん残っているので僕なりの岡本太郎像があれば十分です。もし本人 に会えるなら、話はしないでいいから、描いてるところをずっと遠くから見ていたい かな。これが一番贅沢ですね。
今度誰かと2人展ですか? う〜ん、きっとあまりないかな。グループ・ショウも最 近嫌いです。小さくてもソロがいいです。小沢さんとの今回は、いろいろな条件によ って別個展になったけど、もし仮にぼくが日本にいて、コラボレーションしていた としても、うまくいかなかったんじゃないかなって思います。それぐらい50%50%で 人と一緒に仕事をするのが苦手です。完全に裏方でプロデュースするとか、アシスト するっていうのは得意ですけど。
もし、いつかやるとしたら、女性の作家がいいかも。僕の作品はすごく男の子っぽい と言われるので、そのあたりを確認できるだろうし。




 
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