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東京 荒木夏実
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exhibitionジャクリーン・ハシンク「Queen Bees」展

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ジャクリーン・ハシンク「Queen Bees」展
"Queen Bees, Ms. Carolyn L. Murphy"
1996 カラープリント galerie deux

 ニューヨークを拠点に活躍するオランダ人女性写真家ジャクリーン・ハシンクは、有名企業の重役会議室を撮ったシリーズで注目されている。今回の“Queen Bees”では、女性エグゼクティブ15名の勤める企業の重役会議室と彼女たちのプライベートな部屋を対比させる。
 ハシンクが写す重役室は、 立派だったり意外に質素だったりと様々で、そこから会社の性質がかいま見えてくる。同時に、重役の自宅の部屋からは組織から離れた個人の顔が見える。人物の写っていない無機質な部屋を通して、組織や人間の姿を想像するという仕掛けが実に興味深い。
 それにしても、普段隠されたものを「覗く」行為ってなぜこれほど楽しいのだろうか。
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会場:ギャルリ・ドゥ 東京都目黒区柿の木坂2-10-17
会期: 2001年5月31日〜8月4日
問い合わせ:Tel. 03-3717-0020

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exhibitionアトゥール・ドディヤ展

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アトゥール・ドディヤ展
「聖廟の一日 "Tomb's Day"」(三部作)2001年

 アトゥール・ドディヤは1959年生まれのインドの現代美術界を代表するアーティスト。家族、民族的伝統、ポピュラー・カルチャーと集団的幻想などのテーマをキッチュな絵画の中に塗り込める。シャッターに絵を描くシャッター・ペインティングや、門、梯子、映画館の看板など町中のオブジェを取り入れてインスタレーションする。
 重さと軽さが交錯する不思議な空間が出現するだろう。
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会場:国際交流基金フォーラム 東京都港区赤坂2-17-22
会期:2001年6月30日〜8月4日
問い合わせ:Tel. 03-5562-3892

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exhibitionメイプルソープ&アラーキー 百花乱々展

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メイプルソープ&アラーキー 百花乱々展
 端正でクールな色気をもつメイプルソープの花と、毒々しいまでのエネルギーを放つ荒木の花の競演。コントラストが際だって面白いのではないだろうか。
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会場:小田急美術館 東京都新宿区西新宿1-1-3
会期:2001年6月13日〜7月1日
問い合わせ:Tel. 03-3342-1111

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eventこどもの時間

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こどもの時間
  埼玉県桶川市のいなほ保育園に通う0歳から6歳までのおよそ100人のこどもたちの姿を追った映画。
 監督の言葉: 「汚さないで」「やめてちょうだい」「早くして」とうるさい自分の口にチャックをするために。おとなとは違う<こどもの時間>を生きている、彼らの思いを見逃さない母親になるために、この映画を作りました。
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監督:野中真理子
会場:BOX東中野 東京都中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビル地下
上映:2001年7月14日より11:00から1回上映
問い合わせ:Tel. 03-5389-6780

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report学芸員レポート [三鷹市芸術文化センター]

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アート・イン・パラダイス−アメリカのアウトサイダーアート

 三鷹市美術ギャラリーで開催した「アート・イン・パラダイス−アメリカのアウトサイダーアート−」展にあわせ、本展の出品作品の所蔵者であるクローディア・デモンテ&エド・マックゴウィン夫妻とイラストレーターの安西水丸氏を招いて講演会を行った。
 クローディアとエドは二人とも彫刻家で大学教授、夫婦で25年以上このジャンルの作品を集めている。彼らは意図的に収集を始めたのではなく、気づいたら作品が増えていたという状況らしい。作品以上に作家たちに興味があって、ほとんどの場合作家と実際に会って作品を購入しているそうである。アメリカではアウトサイダー・アート(アントレインド、セルフトート、フォークアートなど呼び方は様々だが、正規の美術教育を受けていない人たちのアートをさす。精神障害をもつ人も多い)は大変な人気で美術の分野としても確立しており、毎年大きなアートフェアが開かれるほどだという。しかし、作品売買に関して無頓着なアーティストにつけ込んで作品をだまし取る悪徳ディーラーがいたり、商売目的で作品を作らせる人が出てきたりと、人気が高まったゆえの「搾取」の問題が起きているらしい。そもそもが商売と遠いところから派生しているアウトサイダー・アートが抱える現在のジレンマである。

安西水丸氏とクローディア・デモンテ&エド・マックゴウィン夫妻
上:安西水丸氏
下:クローディア・デモンテ&
エド・マックゴウィン夫妻


 安西水丸氏は、アメリカ南部のアウトサイダー・アートと出会ってからすっかりファンになり、『アトランタの案山子、アラバマのワニ』(小学館)というアーティストたちとの出会いを綴った著書を出している。彼は、仕事がら慣れによってどんどん絵が「上手く」なってしまうことのつまらなさを警戒しており、アウトサイダー・アーティストたちの真に「描きたい」という気持ちのみで描かれた作品に触発されるのだという。日本の偏った美術教育によって、好き、作りたい、描きたいという気持ちが失われがちである状況を嘆き、「皆さんも下手でもいいから好きなように絵を描いてください。そういう人がどんどん増えてほしい。」と呼びかけていたのが印象的だった。
 今回展覧会で紹介された作家たちは、多くがアメリカ南部に住む黒人で、貧しかったり精神障害があったり、苦しい生活を強いられている人も少なくない。しかしその状況に反して作風はポップで色は鮮やか、脳天気なほどの明るさが感じられるのである。このことについて安西氏は、「一見明るい彼らの作品にはブルースのような哀愁が漂っている。抜けるような明るさは、決して明るくはない現実生活との対比として存在するのではないか。」と述べていたが、鋭い指摘だと思った。
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会場:三鷹市美術ギャラリー 東京都三鷹市下連雀3-35-1 CORAL 5F
会期:2001年4月21日〜5月27日
講演会:「アメリカのアウトサイダーアートについて」5月19日 三鷹市芸術文化センター・星のホールにて
問い合わせ:Tel. 0422-79-0033

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