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The Best of 1997/1998
1997年のアートシーン/1998年のアートシーン

堤 篤史 日本経済新聞 文化部 記者
1997年のアートシーン

1――評価した展覧会/イベント/作品など
劇団「大人計画」の一連の作品

主宰者・松尾スズキの劇世界がテーマ、切り口のみならず深みも兼ね備えはじめた。阿部サラダ、宮藤宮九郎らの俳優陣の充実ぶりも目覚ましいものがあった。

2――活動が印象に残った人物
八谷和彦

電子メールソフト「Post Pet」、プロジェクト「メガ日記」などの作品を通じて現代のコミュニケーションのあり方に一石を投じた。

3――記憶に残った動向/トピックスなど
戦後再見?

演劇ではシェークスピアの一連の作品のブーム、昭和の戯曲の見直しなど原点に返る動きが目立った。また、パパ・タラフマラの「船を見る」、矢作俊彦の小説『あ・じゃ・ぱん』など、アーティストの自分史を戦後史と重ね合わせた作品が印象に残った。
nmp Column
1997年5月13日号
退行するパパ・タラフマラ
新作『船を見る』を観て
●熊倉敬聡


nmp Art Watch
1996年10月29日号
すれちがう
ポストコロニアリズムと
コロニアリズム
●鴻 英良
1998年のアートシーン

1――期待する展覧会/プロジェクト/作品など
時々自動

息の長い活動を続けているグループだが、このところ時代とのシンクロを感じる。“ユーロカズ・フェスティバル”にも参加するらしい。

2――活躍が期待される人物
明和電気
指輪ホテル
ハイレグ・ジーザスなど

いずれも初期の物珍しさから脱して、そろそろ本質が問われる時期だと思うので。

3――1998年はどのような変化があると思いますか
リアル・アイデンティティなど

ここ数年続いている身体のリアリティや、自己のアイデンティティを問い直す試みはますます強まると思う。それだけ時代は不透明なのだろう。






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