今年の世界3大国際展の評がさまざまなメディアで報じられている。言説がメタとしてのアートを形成していく重要な要素であることは承知している。nmp-jでも既に2回の情報配信を終えている。しかし、感動しうるアートがどのように存在しているのかレポートをすることが出来たとしても、アートからの直接的な感動は伝えられない。アート体験の共有とアート情報の共有の違いだ。その距離間のもどかしさや難しさを、連日はまって深夜までつき合った世界陸上アテネ大会の放送を観ながら感じていた。
さて、リニューアル第3号となる8月21日号では、ヨーロッパ3大国際展の特集3回目ということもあり、総論から作家・作品レヴューといった各論へと進めると共に、その周辺での重要な展覧会をレポートします。
また、レヴュー&批評では、アートワークや展覧会を文化の視点からではなく、社会活動とは切り離せない文化活動として経済的、社会的システムの側面から切り込んでいくことを目指した「アートマネジメント」のコーナーを設けて毎月連載していきます。
さらに、9月以降の配信号では、パブリックアートに関する特集の準備を進めています。アーカイブ化を前提としたパブリックアートそのものの調査レポートはもとより、芸術的な観点や都市計画的な観点などから追っかけていきたいと考えています。このテーマは、大はミュンスターの彫刻展や光州ビエンナーレ、小は日本各地で見られるアートイベントと連動した、パブリックアート・ワークショップ的な活動の意義や運営といった今日的な話題との接点も多数もっています。どのような展開ができるか我々にも興味深いところです。
パブリックアートに関する情報をお持ちの方は、是非、メールにてお知らせ下さい。お待ちしております。
森 司(nmp監修者) |