キュレーターズノート

フォロースルー──金沢アートプラットホーム2008展

鷲田めるろ(金沢21世紀美術館)

2009年05月01日号

 一方、「金沢アートプラットホーム」では、築120年の町家の再生を行なったアトリエ・ワン。建築を学ぶ学生を中心とするボランティアチームにより、空き家となっていた町家を改修した。展覧会会期中は、作品の展示やコンサート、体験宿泊などを行なった。展覧会終了後の今年1月、塚本由晴氏、貝島桃代氏が中心となって「まちやゲストハウス会」を立ち上げた。この会は、再生した町家を借り上げ、会員の知り合いにゲストハウスとして宿泊などに利用してもらうものである。年5万円の会費によって運営している。旅館ではないため会員が責任をもって紹介できる人しか泊まれないが、クリーニング代などの実費に相当する1人1泊2,000円で宿泊できる。1月から3月までは寒さのため利用者は少なかったが、暖かくなった4月は、毎週のように利用者があった。宿泊だけでなくリュートの演奏会なども行なわれた。
 また、中村政人は、「金沢アートプラットホーム」において、継続的に活動する非営利団体「金沢アートポート(kapo)」を立ち上げ、かつて印刷会社として使われていたビルを改修してアートスペースとした。展覧会終了後は、kapoがこのビルを借り上げ、2階をアーティストの貸しアトリエとし、1階をカフェとしている。それにより、家賃と光熱費をまかなっている。さらに2階のギャラリースペースにて月に1回程度の展覧会を行なったり、1階のカフェスペースで舞踏などのイベントを実施したり、作品の販売も行なったりしている。
 FC.TONが行なったサンダル作りのワークショップも、まちやゲストハウス会による町家の運営も、kapoによるアートスペースの運営も、金沢21世紀美術館は関わっていない。金沢アートプラットホームを通じて生まれた人のネットワークが生んだ独自の新たな活動である。出会った人々が自ら展覧会やワークショップなどを行ない、アートの場をつくってゆく。これは、美術館が用意したワークショップに参加するという能動性よりも、もう一段階次のステージの能動性である。街と美術館のこのような関係性の中では、「展覧会」は出会いの場であり、展覧会が終わって新たな活動が始まる。その展開を今後も見守ってゆきたい。

テーブルトーク&交流戦「タッグパートナーとしてのスポーツとアート」

主催:金沢21世紀美術館
会場:金沢21世紀美術館会議室1
開催日:2009年1月18日(日)
URL:http://www.kanazawa21.jp/exhibit/collection/2008_2/event.html
まるびぃon the radio「タッグパートナーとしてのスポーツとアート」:
パート1=http://www.marubiontheradio.com/2009/04/post_31.html
パート2=http://www.marubiontheradio.com/2009/04/post_32.html

靴磨き講座とサンダル作り

主催:FC.TON
会場:金沢市立西小学校
開催日:2009年4月11日(土)
URL:http://kosuge116.exblog.jp/11371087/

まちやゲストハウス

場所:金沢市横山町
*一般公開はしていません。

金沢アートポート

場所:金沢市小将町1-11
URL:http://www.kapolog.com/

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