展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。

青山悟 刺繡少年フォーエバー

著者:青山悟

発行: 青幻舎
発行日:2024年5月1日
サイズ:B5判、176ページ

青山悟(1973~)は、産業革命の象徴、手仕事の喪失、ジェンダー観など、多言語をもつ“ミシン”を用いて、世の中の様々な問題や矛盾を、風刺とユーモア溢れる作品にあらわしている。その創作の原点は、ロンドンのゴールドスミスカレッジのテキスタイルアート科、生徒の9割が女性という環境下で、アートと、テキスタイルの背景にある労働問題やフェミニズムに触れた学生時代にある。AIが人にとって代わろうとし、テクノロジーの台頭が著しい今日において、青山の世界は見る者に静かながら深い示唆を伝えるだろう。本書は、初期から最新作まで20年にわたる制作活動から約150点を厳選、作家解説を付した初の作品集である。

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ドゥルーズと芸術

著者:アンヌ・ソヴァニャルグ

訳者:小倉拓也、黒木秀房、福尾匠

発行: 月曜社
発行日:2024年5月8日
サイズ:四六判、392ページ

芸術はドゥルーズにとってみずからの哲学を応用するための二次的な対象などではなく哲学そのものの構築に不可欠なものだった。
初期から最晩年まで取り組み続けた芸術をめぐる思考の変化とともにその概念の生成の過程を明らかにする。
影響力のあるドゥルーズ研究者のひとりである著者、初の単著日本語訳。

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はてしなき現代住居──1989年以後

編著者: 布野修司

著者:青井哲人、秋吉浩気、市川紘司、井上悠紀、今村水紀、魚谷繁礼、岡野道子、織山和久、柿木佑介、葛西慎平、香月真大、権藤智之、佐藤研吾、山道拓人、菅原大輔、高木正三郎、種田元晴、千葉元生、塚田修大、辻琢磨、露木尚文、仲俊治、橋本健史、長谷部勉、馬場兼伸、平塚桂、藤村真喜、前田圭介、牧紀男、松元良枝、水谷俊博、森田一弥、彌田徹、柳沢究、山岸輝樹、山本麻子、山本理奈、渡辺菊眞、渡邊詞男
発行:フィルムアート社
発行日:2024年5月18日
サイズ:A5判、364ページ

「失われた30年」の日本でさまざまに取り組まれてきた住まいをめぐる試行──この間の住宅を、建築家の作品という表現の問題、家族のかたちや生産技術、災害など社会や環境との関係の両面から捉える決定版。混迷の時代の住宅像から、これからの住まいのあり方を考える。

戦後の住宅供給や居住環境の向上、建築家による生の表現としての家といった住宅を取り巻く課題が一段落した後の「平成」の30年間は、「住宅とはそもそも何か」という自問自答に対し批評性のある回答がさまざまに生み出されたいっぽうで、バブル崩壊に始まり震災をはじめとする天災、伝統的家族像の崩壊、着工数の減少、空き家の増加など、住宅をめぐる困難につぎつぎと直面し、またリノベーションやシェアが市民権を得るなどの変化もあった。本書では住宅をめぐる30年の苦闘の末に、新たな住まいの思想を見出すことを試みる。誰しもの生活に不可欠な「住む」という営みについて、多角的に考えるヒントに満ちた一冊。

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パンデミックとアート

著者:椹木野衣
発行:左右社
発行日:2024年5月15日
サイズ:四六判、280ページ

世界を一変させ、あれほどわたしたちを不安と恐怖、混乱に陥れたコロナ・パンデミック。刻々と伝えられる感染拡大情報、政府や自治体から次々と発されるアラートや指針に右往左往した日々。マスクをめぐる混乱、無観客で開催されたオリンピック、繰り返す感染拡大の波──。

20世紀初頭に起きた人類史上桁違いの災厄「スペイン風邪」を忘却していたことに思いを馳せ、不可逆的に変容してゆく「日常」を見つめつつ書き継がれた美術批評家椹木野衣によるコロナ週報。コロナ・パンデミックの恐慌が世界を襲った2020年3月から4年に渡る連載時評を書籍化。「忘却」に抗い、遠からずまた訪れる「反復」に備えるために──。

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表現の不自由展からの挑戦──消されたアートと対話する12のヒント

編者:岡本有佳、岩崎貞明、李春熙
発行:梨の木舎
発行日:2024年4月26日
サイズ:A5変型判、192ページ

2019年のあいちトリエンナーレで展示中止にされた〈表現の不自由展〉。その後、妨害攻撃にもかかわらず、2022年には東京展の開催を実現させました。その経験・教訓や残された課題について市民の皆さんと共有したいと思います。

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ミュージアムと生きていく

著者:大澤夏美
発行:文学通信
発行日:2024年6月3日
サイズ:A5判、136ページ

ミュージアムをめぐる、生き方、かかわり方を高校生と一緒に考える。

いずれは大学で歴史学や文学、博物館学を学びたい。将来は学芸員の仕事に興味がある。けれど、採用の間口の狭さや雇用の不安定さへの不安もある。そう考えている高校生の博子さんと、ミュージアムグッズ愛好家の著者が、ミュージアムと一緒に生きている人たちにお話を聞いて歩きまわり、対話をし、悩み、考えていく本です。

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ルール?本──創造的に生きるためのデザイン

著者:菅俊一、田中みゆき、水野祐
発行:フィルムアート社
発行日:2024年5月18日
サイズ:四六判変形、320ページ

法律や規則、マナー、習慣、自然法則……わたしたちはさまざまなルールに囲まれて生きています。

本書では、日常のさまざまな場面で遭遇するルールの存在や影響を取り上げながら、ルールを「つくる」「使う」「見直す」「更新する」ことでわたしたちの社会をアップデートしていくことを目指します。この4つのサイクルに着目し、ルールはデザインによってどのようにかたちづくることができるのか、多角的な視点から探ります。

身の回りにあるルールを意識し、自分のこととして関わり、柔軟にとらえ直すことで、ルールとポジティブに向き合うことの大切さと、ルールは私たちの思考や行動を制限するものではなく、この社会で自由に生きるためのものであることを説く、日常をデザインする創造的実践のガイドとなる一冊です。

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