日本語の「きく」という言葉は、さまざまな意味を持っています。音や声を耳で感じること、受け入れること、尋ねること、耳を傾けること。また、聴覚に限らない感覚を働かせて識別することもまた、「きく」の持つ意味の一つです。そして、いずれの「きく」も、情報を認識し、それを受け止めるという点で共通しています。その情報をもっと知ろうとするとき、「聞く」は「聴く」へと変化するのです。それは「探究」のはじまりであり、情報の送り手と受け手の間の関係性が深さを増していくことのあらわれでもあります。本企画では、こうした「聞く/聴く」を起点とする探究から生まれる芸術実践に注目し、そのあり方と可能性について探ります。


展覧会は、装いとコミュニケーションのあり方を広義的に捉え、音や環境との関係性から分析するための共同研究「わたしたちのまとうもの:装い、音、環境をめぐる考察と実践」に関するセクションからはじまります。ここでは、美術家・ファッションデザイナーの西尾美也、音文化研究者・サウンドアーティストの柳沢英輔の作品、京都市立芸術大学と東京藝術大学の学生とのワークショップで制作された作品の展示に加え、誰でもこの研究に参加できる実験エリアを展開します。また、「聞く/聴く」に関連した学術的な芸術実践の海外での事例として、オランダ拠点の作家のフェムケ・ヘレフラーフェンと香港拠点の作家のジェン・ボーの近作を紹介します。


プレスリリースより

<出典作家>
ジェン・ボー、西尾美也、フェムケ・ヘレフラーフェン、柳沢英輔、共同研究「わたしたちのまとうもの:装い、音、環境をめぐる考察と実践」


関連イベント

2024/9/22(日)、2024/10/5(土)に開催予定。
*最新情報は公式サイトをご確認ください。

会期:2024/08/24(土)〜 2024/10/14(月・祝)
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)(京都府京都市下京区下之町57-1)
開館時間:10:00〜18:00
休館日:月曜日、9/17(火)、9/24(火)
*9/16(月・祝)、9/23(月・振休)、10/14(月・祝)は開館
入場料:無料
主催:京都市立芸術大学
企画:藤田瑞穂(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA チーフキュレーター/プログラムディレクター)
問い合わせ先:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
TEL:075-585-2010
公式サイト:https://gallery.kcua.ac.jp/archives/2024/11235/