《私たちの人生》(2024)
ベルベットに油彩、オイルパステル、グリッター、60.6×72.7cm
[© Natsuko Tanihara, courtesy of MEM, Tokyo]

都内では2年ぶりとなる谷原菜摘子の新作個展が、上野の森美術館ギャラリーと恵比寿のMEMにて開催されます。

谷原は、京都市立芸術大学美術研究科博士課程を修了。古今東西の民間伝承や神話に繋がりながら、人間社会の暴力や恐怖、悪意、戦争などを主題に独自の神話を描いています。

上野の森美術館ギャラリーでは、新約聖書の「ヨハネの黙示録」を題材に大型の新作油彩を中心に発表されます。谷原は、作品制作において、最初に独自の物語を創りあげることを重要視してきました。本展でメインとなる物語には、体が飛行機に変化してしまった女の子たちが登場します。「ヨハネの黙示録」では7人の天使が順番に鳴らすラッパがこの世の終末を告げるとありますが、谷原版黙示録では唐突に世界に終末が訪れ、根拠もわからず選ばれた女の子たちの体が次々に飛行機へ変形していきます。彼女たちは「飛行機ガールズ」となり、終末を止められる可能性のある「世界の隙間」へと出発します。会場では「終末」に関わりのある初期の油彩作品や、パステル画も合わせて展示されます。

壮大な黙示録とは対照的に、MEMでは人間の小さな闇をテーマに構成。鯱に囲まれた筏の上で生きる人々、顔のない男性を抱きしめる女性、宇宙に蝕まれる身体など、非現実的な光景と、人の内面に巣食う闇を描きます。また、谷原が人形美術を担当した江戸糸あやつり人形劇団結城座の演目「変身」のために描いたポスター原画や、人形のデザイン画も展示されます。

谷原菜摘子展「私たちの人生」

会期|2024/9/7(土)〜9/29(日)
会場MEM (東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F)
時間|13:00〜19:00*9/29は対談企画のため14:15〜17:30は通常観覧はできません
休廊日|月曜日(月曜日が祝休日の場合は開廊し、翌平日休廊)
入場料|無料
問い合わせ|TEL:03-6459-3205
公式サイトhttps://mem-inc.jp/2024/08/22/tanihara2024/

谷原菜摘子展「どこかでラッパが鳴っている」

会期|2024/9/14(土)〜9/20(金)
会場上野の森美術館ギャラリー (東京都台東区上野公園1-2)
時間|10:00〜17:00(入館は30分前まで)*9/14は対談企画のため14:30で閉場
休館日|会期中無休
主催|MEM
入場料|無料
公式サイトhttps://www.ueno-mori.org/exhibitions/article.cgi?id=11791578

関連イベント

対談企画①「憑依する美術」
日時|9/14(土)15:30〜17:00
会場|上野の森美術館ギャラリー
登壇者|森村泰昌、谷原菜摘子
参加費|1,200円
定員|定員50名(要予約、チケット事前購入制)
*詳細はこちらをご覧ください。

対談企画②「創造神として」
日時|9/29(日)15:00〜17:00
会場|MEM
登壇者|吉村萬壱、谷原菜摘子
参加費|1,200円
定員|定員20名(要予約、チケット事前購入制)
*詳細はこちらをご覧ください。