《風に踊る生垣の緑はご機嫌良く整えられて あっけらかんとそこに在る》(2024)
府中市美術館にて、2000年の開館当初から開催されているアーティストによる公開制作。第91回は、アーティスト小木曽瑞枝の公開制作「片目を閉じた時の視界のずれと、まばたき程度の時間の差」が行なわれます。
小木曽瑞枝の作品が発するひかりは、わたしたちの気持ちも明るく照らしてくれます。まず目に飛び込んでくるのは、鮮やかな色。発色の美しさとともに、抜群の組み合わせに心がときめきます。薄い板を切り抜いて生まれる、ほっこりした曲線は、木々のシルエットのようにも、空に浮かぶ雲のようにも、遠くにそびえる山のようにも見えます。リズミカルに連なるかたちに誘われて、思わず体が動いてしまいそうです。
絵画とも彫刻ともちがう、この半立体状の作品は、イメージと、ものとの間を行き来しています。つながったパーツの一部は、なかがくり抜かれて縁だけであるので、わたしたちの視線は作品の表面だけでなく、側面にも、裏側にも届きます。視線は作品のまわりを風のように行き来し、そのたゆたう時間のうちに、風景が生まれてくるのです。
公開制作では、美術館に通う途中に出会うであろうさまざまな場面を出発点に、イメージをふくらませてドローイングを描き、シナベニヤ板をテーブルソーで切り抜いて着彩し、作品を完成させます。
<小木曽瑞枝>
1971年東京都生まれ、東京都在住。1994年日本大学芸術学部美術学科卒業、1996年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。2007年「平成19年度ポーラ美術振興財団在外研修員」としてスウェーデンに滞在。風景の観察から物語を引き出し、「未知と既知の狭間」をテーマに、シナベニヤ板を切り抜きアクリル絵具で着彩した半立体状の作品を発表している。2012年グループ展「OVER THE RAINBOW 虹の彼方」(府中市美術館、東京)に参加。2024年個展「たぶん・おそらく・すくなくとも」(April Shop、東京)開催。
■公開制作
日時|12/14(土)、12/18(水)、12/22(日)、1/12(日)、1/18(土)、1/22(水)、1/26(日)、2/1(土)、2/5(水)、2/9(日)
*いずれも12:00〜17:00
■作品展示
日時|2/11(火・祝)以降は、完成作品と近作が展示公開されます。
以下の日の13:00〜17:00は府中市美術館普及員によるガイドがあります。その他の時間はガラス越しにご覧になれます。
2/11(火・祝)、2/15(土)、2/16(日)、2/22(土)、2/23(日)、2/24(月・休)
関連イベント
■トークイベント「O JUNさん、質問しても良いですか?」
日時|1/19(日)15:00〜16:30
会場|会場|府中市美術館 1階 講座室
ゲスト|O JUN(画家)
参加費|無料
定員|40名(事前申込制)
申込締切|1/9(木)
*詳細はこちらをご覧ください。
■ワークショップ「アーモンドチョコレートの箱を使って“アーモンドチョコレート?”という作品を作ろう!」
視点を変えて日用品について考え、プロセスを楽しみながら作品を作ります。
日時|2/15(土)14:00〜16:30
会場|府中市美術館 1階 創作室
講師|小木曽瑞枝
対象・定員|高校生以上・12名
参加費(材料費)|800円
申込締切|1/30(木)
*詳細はこちらをご覧ください。
■アーティストトーク
これまでの作家活動を紹介し、また今回の公開制作の成果をまとめます。
日時|2/22(土)14:00〜
会場|府中市美術館 1階 講座室
定員|60名(先着順/予約不要/当日会場まで)
参加費|無料
*詳細はこちらをご覧ください。
会期:2024/12/14(土)〜2025/2/24(月・休)
会場:府中市美術館 1階 公開制作室(東京都府中市浅間町1-3 都立府中の森公園内)
開館時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日(1/13、2/24は開館)、12/29(日)~1/3(金)、1/14(火)
観覧:無料
問い合わせ先:文化スポーツ部美術館
TEL:042-336-3371 E-mail:bijyutu01@city.fuchu.tokyo.jp
公式サイト:https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/koukaiseisaku/kokaikaisai/ops91_ogiso.html