
ボラデ・オミディラン《実り豊かな女性》
2021年、キャンバス・アクリル絵具・ミクストメディア、121.92×60.96cm、作家蔵
[Photo: Shirabe Ogata, 2025]
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価値観を柔軟にする
人工知能が作るAIアートや、環境や社会に配慮する持続可能性をテーマにしたサステナブルアートなど、新しいアートが誕生し、その概念が広がっているように感じる今日この頃である。アートと日常の境界線が曖昧になり、「アートとは何だろう」と思う。アートの定義は揺らぎながらも存在し、霧散することはないだろう。ふと図書館で『アフリカ美術の人類学 ナイジェリアで生きるアーティストとアートのありかた』(清水弘文堂書房、2017)を手にし、アフリカで人々の日常生活に親しまれているアートがあることを知った。
筆者である緒方しらべ氏(以下、緒方氏)に連絡し、どのような作品があるのか、PCの画面でその写真を見せていただくことができた。緒方氏は、文化人類学、アフリカ美術研究を専門とし、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の助教を務められている。見せていただいたナイジェリアの作品は、美術館で展示されることのない作品だったが、とても温かく大らかであった。
アフリカといえば、1984年にニューヨーク近代美術館で開催された「20世紀美術におけるプリミティヴィズム──『部族的』なるものと『モダン』なるものとの親縁性」展や、1989年にポンピドゥー・センターで開かれた「大地の魔術師」展でアフリカ美術が紹介され、近年ではガーナの彫刻家エル・アナツイ(1944-)が注目されて記憶に新しい人も多いと思う。ナイジェリアにおいては、ナイジェリア初の画家といわれるアイナ・オナボル(1882-1963)や、ナイジェリア芸術のモダニズムの父として有名な美術家ベン・エンウォンウ(1917-94)がいたが、緒方氏から見せていただいた作品はそれらとは異質な魅力がありそうだった。
緒方氏は「私が調査し、懇意にするアーティストの多くはアフリカ美術に関する書籍や論文にも登場しない。アートとは思えない作品もある。しかし、アフリカのアートのあり方を通して見ていくと、西洋近代のアートという制度の価値観が柔軟になっていくかもしれない」と言う。
緒方氏のPCの画像に目が留まった。カラフルなひとりの女性が描かれた絵画作品だ。人物と背景が一体化して見えた。細部には記号のような模様が描き込まれ、色彩豊かに絵画全体が輝いていた。ボラデ・オミディラン《実り豊かな女性》(作家蔵)である。どのような作家なのだろう。作品には何が描かれているのだろうか。《実り豊かな女性》にまつわる話を伺うため、緒方氏がオミディランが暮らすナイジェリアでの調査から帰ってきた直後に、再び東京・府中にある東京外国語大学の研究室を訪ねた。
緒方しらべ氏
プリミティヴな布の風合い
緒方氏は、1980年島根県大田市に生まれ、福岡市で育ったという。子供の頃はスポーツと音楽が好きで、ジャズトロンボニストになることが夢だったそうだ。テレビのドキュメンタリー番組で見たクルド人の文化や、本を読んで知った中央アジアの歴史に興味を持った。また母親が、アジア・アフリカのプリミティヴアートや民族工芸品のギャラリーを運営する「東京かんかん」代表の小川弘氏と同じ高校の美術部に所属していた縁で、緒方氏は中高生の頃からインドやアフリカの布の風合いに親しみ、惹かれていたそうだ。
2001年ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)に入学、2005年に同学院修士課程を修了。帰国して2007年総合研究大学院大学へ進学し、2014年に博士後期課程を修了した。日本学術振興会特別研究員、京都精華大学専任講師や上智大学特任助教などを経て、2024年より現職。2003年以来、アフリカ西部ギニア湾に面するナイジェリアでフィールドワークに従事し、造形活動に携わる人々をテーマに調査研究を行なっている。
2003年7月、SOASでアフリカ美術史と主に西アフリカで話されている有力な言語のヨルバ語を専攻していた緒方氏は、卒論を書くため指導教員の講義を通して学んできたナイジェリアの地を初めて踏んだ。
初めて出会ったアーティスト
緒方氏の指導教員はアフリカ美術研究者で、ナイジェリア独立直後の1960年代に、ナイジェリア連邦政府の美術部門で美術史の調査を行なっていたイギリス人のジョン・ピクトン先生だった。ピクトン先生の知人だった彫刻家のアボ・フォラリンが緒方氏を現地の大学美術学科で受け入れてくれた。フォラリン氏は、イレ・イフェにある国立総合大学オバフェミ・アウォロウォ大学美術学科の教授でもあった。
イレ・イフェは、ナイジェリア三大民族のひとつであるヨルバの発祥の地とされ、ヨルバ神話の舞台となる古都として知られている。ヨルバランド全域において最高位に立つイレ・イフェの王オーニを筆頭に、伝統首長らの権威と尊厳は現在でも守られている。
緒方氏は、ナイジェリア随一の商業都市ラゴスから車で3時間ほどの地方都市イレ・イフェのアパートに10週間滞在し、卒論のための調査を始めた。そのアパートに暮らす学生や浪人生たちのなかには、アーティストから絵を習っていた人がいた。緒方氏はそのアーティストの自宅兼アトリエへ歩いて連れて行ってもらった。そのアーティストがオミディランであった。ナイジェリアで緒方氏が初めて出会ったアーティストである。それ以来、ナイジェリアへ行くたびにオミディランを訪ねているという。
緒方氏が《実り豊かな女性》の実物を初めて見たのは、2025年9月2日オミディランの自宅であった。「ディテールが非常に細かくユニークで、それが一つひとつ手作業で描かれていてすごいと思う」と緒方氏は述べた。
生物学からグラフィックデザイン、絵画へ
ナイジェリア連邦共和国は、アフリカ大陸の西側、サハラ砂漠の南側に位置し、アフリカ大陸随一の人口を誇る大国である。首都はアブジャ。人口は2億3,268万人(2024年:世界銀行)。面積は日本の約2.5倍。ハウサ、イボ、ヨルバと呼ばれる3大民族が暮らしており、公用語である英語のほか250以上の言語が使用されているという。

アフリカ地図(Tmv, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=93723003)
ボラデ・オミディランは1972年9月27日、ラゴスに生まれた。ラゴスはナイジェリアがイギリスから独立した1960年から1991年までの首都だった。妻と三男一女の6人家族で、父は保健体育学の大学教授。オミディランは、中学・高等学校時代に生物学が得意で、動物や微生物の絵を描くようになり、大学では畜産学を選ぼうと思っていた。しかし、父親の反対で1990年にラゴス大学の建築学科に入学。そして、父の友人であった建築学科長と父の勧めで、イレ・イフェにあるオバフェミ・アウォロウォ大学美術学科へ編入し、グラフィックデザインを学ぶことになった。1995年グラフィックデザイン専攻を首席で卒業後、国務に復するため、ベヌエ州マクルディの中学・高等学校で1年間アートを教える。その後、元スイス航空の重役がラゴスのイパジャで経営していた画廊にアーティストとして就職した。そこで絵画を模写して絵を学び、彩色した木をキャンバスに接着するウッド・カラーを始め、アートの道を歩んでいった。
1998年にはオバフェミ・アウォロウォ大学の美術学科修士課程に進学し、大学院生の寮で絵を描きながら作品を販売していた。2000年に修士課程を修了し、寮を出てイレ・イフェ市内の住宅地を拠点にアーティストとして独立する。2008年自宅兼アトリエを建て、自宅敷地内のギャラリーで絵画作品を展示・販売し、2010年には市内の繁華街に小規模なギャラリースペースを借りて作品を販売した。母校の大学で美術の講義も行なっていたが、制作時間が少なくなり収入も減ることから、作品制作に専念する。100人以上の弟子たちを育成してきた[図1]。
図1 オミディラン(中央の白い服の人物)と弟子たち[Photo: Shirabe Ogata, 2025]
細長い手足や首のライン
オミディランの絵画作品は、のどかな村の生活、市場、町並みなど、アフリカの伝統文化を主題とした油彩画やアクリル画である。これに、エマルション塗料と糊、または糊と砂を混ぜ、注射器を使って凹凸のあるラインを描いたり、ベニヤ板、プラスチック、木の実や種、石をキャンバスに付着させて部分的に立体感をつけたり、蛇皮やベルベットなどを、キャンバス代わりに利用したりする[図2]。プラスチックでコラージュを制作していたリベリア人アーティストのウイルソン・オホ(Wilson Oho)の影響を受け、ラゴスのヤバ工科大学の講師で画家のクンレ・アディエミ(Kunle Adeyemi)や画家コラデ・オシノウォ(Kolade Oshinowo)にも感化されたという。2014年にはイレ・イフェ初のアートギャラリー「オミディラン・ギャラリー」をオープンした[図3]。
図2 ナイジェリアのポップミュージックを流しながら制作するオミディラン[Photo: Shirabe Ogata, 2025]
図3 「オミディラン・ギャラリー」[Photo: Shirabe Ogata, 2025]
アフリカらしさをテーマにしたオミディランの絵画は、装飾的でありながら、ひと目でそのモチーフが人間や動物、道具や装飾品、建物や自然であることがわかる。目や鼻など人間の顔の表情は描かないが、身体の動きは軽やかに弾み、細長い手足や首のラインが特徴的である。また、オミディランはアメリカやイギリスなど国外の展覧会にも出品している。
作品は精巧な職人技と深遠な文化的背景が高く評価され、主にラゴスの絵画販売店、ホテルや銀行、富裕層などが購入。オミディランにとってラゴスは、誕生した場所であり、働いていた場所でもあるため、人脈のある格好の市場である。顧客からの要望を受け入れて、室内装飾画や肖像画を制作することもある。作品の価格はサイズと手間のかけ方によるが、10年前のラゴスでは25,000ナイラ(約15,000円)から150,000ナイラ(約90,000円)で販売しており、ラゴス州の州都イケジャの小さな絵画販売店では、富裕層のナイジェリア人、アルジェリア人、ガーナ人、南アフリカ人、中国人、韓国人などが購入していた。
実り豊かな女性の見方
①タイトル
実り豊かな女性(みのりゆたかなじょせい)。英題:Fruitful Woman
②モチーフ
真横を向いた若い女性の全身像、太陽、果物が入ったバスケット[図4]、かばん、子供[図5]。ヨルバの伝統的な壁画や染物の模様である渦巻、縦線・横線、アルファベット文字「OK」、アフリカの伝統的な要素としての茅葺(かやぶき)の家、壺、コーラナッツ★、そしてオミディラン独自の意匠であるモザイクなどを、背景や女性の服や果物の模様の要素として使用している。
③制作年
2021年。オミディラン49歳。
④画材
キャンバス、アクリル絵具、ミクストメディア(合成皮革と溶かしたプラスチック)。
⑤サイズ
縦121.92×横60.96cm。
⑥構図
水平・垂直の画面を基軸に、左側へ歩む女性の姿を画面中央に配置した構図。
⑦色彩
白、青、赤、ピンク、オレンジ、黄、緑、グレー、黒など多色。平面的な画面だが、色のグラデーションを用いて立体感を出している。
⑧技法
キャンバス全体を黒のアクリルジェッソ(乳液状の塗料)で下地を施し、乾燥後、半光沢の黒色絵具を全面に塗って下準備をする。次に女性像を鉛筆でデッサンし、背景に数カ所、凹凸感のある合成皮革を貼り付けていく。そして背景を埋めた後、女性の身体部分に取り組む。極細の筆を用いて、モチーフをアクリル絵具で丹念に描き込み、最後に塗料に糊を混ぜ、注射器を使って合成皮革の端を密封しながら凹凸のあるラインを描いていく。このラインは合成皮革を貼り付けていない部分にも、画面にリズム感を出すように描いている。全工程に約1カ月かかる。
⑨サイン
画面右下に白色で「OMIDIRAN GBOLADE/2021」と署名[図6]。
⑩鑑賞のポイント
子を宿し育て、商売もして経済的な力にもなる女性の豊饒さがテーマである。画面全体に描き込まれた模様は、おおよそ縦10列・横7列に区切られた長方形をひとつの模様ブロックとして組み立てられており、青、赤、オレンジ、白などバランスよく配色されている。一方、足元には黄色やピンクなどの水平線が勢いよく描かれ、スピード感を出している。女性の独特のフォルムは、オミディランの特徴である。頭上には盛りたくさんの果物が入ったバスケット、左手にはかばん、背中には子供。女性と子供の顔は抽象的で表情はなく、背景に溶け込むように模様化し、環境と一体化した人間像を表わす。女性のネックレスとブレスレット、子供の髪飾りは共に赤い。子供をおぶり、堂々と大股で闊歩して果物を販売する、逞しく、豊かな女性。ヨルバの伝統的な模様とカラフルな色彩が描くのは希望あるアフリカの未来である。
図4 果物が入ったバスケット(《実り豊かな女性》部分)[Photo: Shirabe Ogata, 2025]
図5 女性に背負われた子供(《実り豊かな女性》部分)[Photo: Shirabe Ogata, 2025]
図6 オミディランのサイン(《実り豊かな女性》部分)[Photo: Shirabe Ogata, 2025]
★──西アフリカの熱帯雨林に自生するアオイ科のコラノキという常緑樹の種子。古くから儀式や祭典で食べられ、消化促進や疲労回復に効果があるとされる。嗜好品として噛んだり、伝統医学にも利用される。かつて清涼飲料の「コーラ」の原料となったこともあり、名の由来になった。
市民に親しまれるアート
ナイジェリアのアーティストには、大学の美術学科教員や学生たち、「アート」や「アーティスト」という看板を掲げて店を持つ人たち、伝統首長を主な顧客としてビーズ細工や木彫を作る人たち、自宅の一室をアトリエにして絵画や版画、コラージュや染織の作品を作っている人たちなど、さまざまなアーティストがいる。だが、個々の客の要望に応じたオーダーメイドのアートが、日常的なアートとして市民に親しまれている点は注目されてこなかったと緒方氏は言う。
「イレ・イフェのアーティストは、西洋のアート世界と無縁ではないが、地域社会と密接に結びつきながら国内や地域の需要や人々の間の相互扶助に関わり生活している。オミディランは10代の若者たちを弟子として20人くらいつねに無料で学ばせてきた。自分の作品だけではなく、知人アーティストの作品や民芸品も買って一緒にギャラリーで売っていることも面白い。今回のこの《実り豊かな女性》はオリジナルであるが、まったく同じモチーフで色味が異なる作品が複数あり、女性たちが好んで買っていくそうだ」と緒方氏。
ナイジェリアのアートをとりまく状況については、「現在、大都市ラゴスには画廊が数十軒あるが、10年くらい前は5軒もなかった。全世界的にアフリカンアートやブラックアートの需要が高まってきており、その波で画廊が増えてきた。ナショナル・ギャラリーは国の組織としてオフィスが首都アブジャにあるが、一般の人たちが利用できる国立美術館という建物はない。ナショナル・ミュージアム(博物館)はあるが、そこでは近現代美術作品は若干展示されているだけである。それはまた地方都市のイレ・イフェでも同様で、博物館はあるが美術館はない。そんな環境のなかでイレ・イフェに2014年、画廊を最初に建てたのがオミディランだった。幹線道路沿いの立派な『オミディラン・ギャラリー』には、オミディラン作品のほか、イレ・イフェやラゴスなどのアーティストの作品も展示してある。そして2024年、造形作家ドトゥン・ポポオラ(Dotun Popoola)もイレ・イフェに私設ミュージアム『スクラップアート・ミュージアム』を設立した。今年(2025)に入ってからはオバフェミ・アウォロウォ大学の美術学科を卒業した学生たちが作った現代美術の画廊『スタジオ・イレブン・イレブン(Studio 11 Eleven)』もオープンし、イレ・イフェのアート活動はここ数年急激に活発化している」と緒方氏は語った。
緒方しらべ(おがた・しらべ)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教。1980年島根県生まれ。2004年ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)卒業、2005年同学院修士課程修了、2014年総合研究大学院大学文化科学研究科比較文化学専攻博士後期課程修了。大阪大学などで非常勤講師、京都精華大学で専任講師、上智大学で特任助教を務め、2024年より現職。博士(文学)。専門:文化人類学、アフリカ美術研究、ナイジェリア地域研究。主な賞歴:2013年第5回国立民族学博物館みんぱく若手セミナー賞、2018年第30回日本アフリカ学会研究奨励賞受賞。所属学会:日本文化人類学会、日本アフリカ学会、民族藝術学会、Arts Council of the African Studies Association (ACASA)。主な編著書:『アフリカ美術の人類学 ナイジェリアで生きるアーティストとアートのありかた』(清水弘文堂書房、2017)、『アフリカからアートを売り込む』(編著、水声社、2021)など。
ボラデ・オミディラン(Gbolade Omidiran)
ナイジェリアの画家。1972年ラゴス生まれ。父は保健体育学の大学教授。中学・高等学校時代に生物学が得意で動物や微生物の絵を描くようになる。1990年ラゴス大学の建築学科に入学後、オバフェミ・アウォロウォ大学美術学科へ編入し、1995年同大学美術学科グラフィックデザイン専攻を首席で卒業する。2000年同大学美術学科修士課程を修了。美術学修士号を取得。2008年イレ・イフェに自宅兼アトリエを建て、自宅敷地内のギャラリーにて作品を展示販売する。2014年「オミディラン・ギャラリー」を開設。アメリカ、イギリス、ナイジェリアなどで個展やグループ展を開催。
デジタル画像のメタデータ
タイトル:実り豊かな女性。作者:影山幸一。主題:世界の絵画。内容記述:ボラデ・オミディラン《実り豊かな女性》2021年、キャンバス・アクリル絵具・ミクストメディア、縦121.92×横60.96cm、作家蔵。公開者:(株)DNPアートコミュニケーションズ。寄与者:ボラデ・オミディラン、緒方しらべ、(株)DNPアートコミュニケーションズ。日付:─。資源タイプ:イメージ。フォーマット:Jpeg形式40.3MB、300dpi、8bit、RGB。資源識別子:Fruitful Woman_Gbolade OMIDIRAN_28Aug2025_Shirabe OGATA (192)(Jpeg形式68.7MB、300dpi、8bit、RGB、カラーガイド・グレースケールなし)。情報源:ボラデ・オミディラン、緒方しらべ。言語:日本語。体系時間的・空間的範囲:─。権利関係:ボラデ・オミディラン、緒方しらべ、(株)DNPアートコミュニケーションズ。
画像製作レポート
《実り豊かな女性》の画像について、ナイジェリアへ調査に向かう緒方しらべ氏と事前に話し合い、作品画像の使用許諾を緒方氏に依頼することができた。オミディランへ画像の使用許可に対する謝金$100(約15,200円)を緒方氏から直接支払ってもらい、作品も撮影してもらった。後日、その作品画像を送信してもらいダウンロードして入手(Jpeg、68.7MB、300dpi、8bit、RGB、カラーガイド・グレースケールなし)。
iMac 21インチモニターをEye-One Display2(X-Rite)によって、モニターを調整する。NIKONのデジタル一眼レフカメラD5600によって、曇天の屋外で撮影された作品画像には背景も写っていたため、絵画に合わせて画像を切り抜いた(Jpeg形式40.3MB、300dpi、8bit、RGB)。
セキュリティを考慮して、高解像度画像高速表示データ「ZOOFLA for HTML5」を用い、拡大表示を可能としている。
参考文献
・緒方しらべ「絡み重なり合う複数のアートワールド : 現代ナイジェリアの隔たる3つの場から考える」(『Mouseion:立教大学博物館研究 No.61』立教大学学校・社会教育講座、2015、pp.15-30)
・緒方しらべ『アフリカ美術の人類学 ナイジェリアで生きるアーティストとアートのありかた』(清水弘文堂書房、2017)
・アーサー・C・ダントー著、松尾大訳『ありふれたものの変容──芸術の哲学』(慶應義塾大学出版会、2017)
・小崎哲哉『現代アートとは何か』(河出書房新社、2018)
・緒方しらべ「アフリカの都市生活とアート」(ウスビ・サコ+清水貴夫編著『現代アフリカ文化の今 15の視点から、その現在地を探る』青幻社、2020.5.30、pp.68-81)
・柳沢史明+緒方しらべ編『アフリカからアートを売り込む』(水声社、2021)
・島田周平+落合雄彦編著『ナイジェリアを知るための56章』(明石書店、2025)
・Webサイト:「新任スタッフ紹介 Vol.82:緒方しらべ」(『東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所』2024.4.1)2025.11.5閲覧(https://www.aa.tufs.ac.jp/news/detail/6369/)
・Webサイト:「Paul Omidiran」(『True African Art.com』)2025.11.5閲覧(https://trueafricanart.com/pages/paul-gbolade-omidiran)
・Webサイト:「About Gbolade Omidiran」(『www.Art.Africa』)2025.11.5閲覧(https://art.africa/artist/gbolade-omidiran/)
・Webサイト:「Omidiran African Art Gallery」(『ARTPAL』)2025.11.5閲覧(https://www.artpal.com/omidiran)
掲載画家出身地マップ
※画像クリックで別ウィンドウが開き拡大表示します。拡大表示後、画家名をクリックすると絵画の見方が表示されます。
2025年11月
図4 果物が入ったバスケット(《実り豊かな女性》部分)[Photo: Shirabe Ogata, 2025]
図5 女性に背負われた子供(《実り豊かな女性》部分)[Photo: Shirabe Ogata, 2025]