展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。

戦争と芸術の「境界」で語りをひらく──有田・大村・朝鮮と脱植民地化

著者:山口祐香、チョン・ユギョン
発行:花束書房
発行日:2025年11月10日
サイズ:四六変形判、192ページ

朝鮮人陶工が創始した有田焼で型取りし、陶製手りゅう弾を模した架空の焼き物「大村焼」が刻む、歴史と表現――。
若手研究者と現代美術作家による対話、論考、エッセイ、そして抵抗のアートを通して、自由を奪われた人々について言葉を交わし、社会とつながり、考え続けるためのたしかな試み。

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アートとエージェンシー──ある人類学的な理論《人類学の転回》

著者:アルフレッド・ジェル
訳者:内山田康、中谷和人、吉田ゆか子、深川宏樹、渡辺文
発行:水声社
発行日:2025年11月25日
サイズ:A5判 、435ページ

アルフレッド・ジェルは美学的な観点から芸術作品を評価することから徹底して距離を置き、芸術を人類学的観点から社会の関係項としてみなす。そしてジェルは世界のさまざまな地域の芸術に目を向ける。ポリネシアのイレズミ、切り裂かれたヴィーナス、アフリカの呪物、デュシャン……時間と空間を縦横無尽に駆けながらジェルは芸術作品を生み出した人々の認知の過程に迫っていく。

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イラストで出会う 女性たちのいる美術史

著者:李君棠
絵:垂垂
訳者:多田麻美
発行:フィルムアート社
発行日:2025年11月26日
サイズ:A5判、280ページ

なぜ偉大な女性芸術家は「いなかった」のか?
アルテミジア・ジェンティレスキ、マリア・ジビーラ・メーリアン、葛飾応為、ベルト・モリゾ、フリーダ・カーロ、リー・クラスナー、ルイーズ・ブルジョワ……イラストとマンガで学ぶ、23人の語られなかった「美術の物語」。

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「われ感ず、ゆえにわれ在り」の美学──ドイツ啓蒙主義における「感情」と「感覚」の系譜

著者:杉山卓史
発行:思文閣
発行日:2025年11月28日
サイズ:A5判、260ページ

18世紀、バウムガルテンの手により誕生した美学は、当初「感性の学」として構想された。しかしその後ヘーゲルらによる再編を経て、「美」や「芸術」の哲学へと変容していく。
本書はそうした歴史的展開を踏まえつつも、18世紀ドイツに端を発する美学の原点に立ち返り、「感情/感触(Gefühl)」と「感覚(Empfindung)」という二つの概念に光を当てる。

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菅亮平──Around the Void

執筆:星野太、伊藤俊治、本田季璃子、菅亮平
編者:町立久万美術館、菅亮平
発行:水声社
発行日:2025年12月02日
サイズ:A4変型、192ページ

「中身のない、空っぽの」を意味する「Void」への思索を起点として、絵画、写真、映像、立体、サウンド、パフォーマンスなど、多様な表現メディアを横断的かつ重層的に扱う作家、菅亮平の初となるモノグラフ。 初期の絵画作品から、第二次世界大戦の記憶をめぐる近作までを総覧する!

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東大「芸術制作論」講義──手を動かし知をつかむ、創発のポイエーシス

著者:村山悟郎
発行:フィルムアート社
発行日:2025年12月04日
サイズ:四六版、352ページ

制作の回路を獲得せよ
生成AI全盛の今、みずからの手で制作することにはどんな意味があるのか──有機体やコンピュータなどさまざまなシステムを参照しながら、ある種のパターンが生成される仕組みを掘り下げる“レクチャー”と、ドローイングの実践から「制作知」を体得できる“ワーク”を収録、東大の人気授業を一冊に!

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建築の物質性

著者:アントワーヌ・ピコン
訳者:千代章一郎
発行:鹿島出版会
発行日:2025年12月09日
サイズ:四六版、264ページ

人間と物質の関係性としての建築史。
物質性とは、人間と物質の関係性である。
現代の哲学や社会学における「物質」への着目を背景に、古典主義建築からデジタル時代の現代建築まで、人間と物質の関係性として描かれる、古くて新しい建築史。

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演出をさがして 映画の勉強会

著者:濱口竜介、三宅唱、三浦哲哉
発行:フィルムアート社
発行日:2025年12月12日
サイズ:四六判、424ページ

本書は、映画監督の濱口竜介と三宅唱、映画研究者の三浦哲哉という気心の知れた3人が集い、2018年より続けてきた映画の演出についての勉強会の「第1集」です。3人がそれぞれ手にした地図とアイテムを持ち寄り、共に旅に出る、映画の演出をめぐる冒険の書です。

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アニメーション・ネイチャー──構想と設計から読み解く現代アニメーション

著者:山村浩二
発行:フィルムアート社
発行日:2025年12月19日
サイズ:四六判、328ページ

本書は、日本を代表するインディペンデントアニメーション作家である山村浩二が、教授を務める東京藝術大学大学院アニメーション専攻で20年近く行なっている講義「アニメーション構想設計論」を元にしている。構想と設計という創作者ならではの視点を通して、メタモルフォーゼ、カリカチュア、アニマシーなどアニメーションを形作る10の特質をひも解き、世界各国の作品を紹介していく。

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