|
ブリヂストン美術館開館50周年記念「藤島武二展」 クラーク財団日本美術コレクション「アメリカから来た日本」展 イタリア・ファエンツァ国際陶芸博物館所蔵「マジョリカ名陶展」 |
||||||||||||
主催=日本経済新聞社ほか | ||||||||||||
|
|
ブリヂストン美術館開館50周年記念「藤島武二展」 明治後半から昭和前半まで、50年にわたって活躍した藤島武二は、まさしく日本近代美術を代表する洋画家です。彼はまず巧みな筆使いと鋭敏な感性で、見るものの感覚に強く訴える絵画を生み出しました。さらにフランスとイタリアで西洋美術の源流と精華を味わい、油絵具の彩りと粘りを生かす技術を獲得します。帰国後、東洋文化にも眼差しを向けた藤島は、1920年代以降、女性像や風景画のなかの気に入った題材を繰り返し精力的に描きました。西洋で生まれた油彩画を、東洋の日本で描くことの意味を彼は考えます。 こうして藤島は、簡潔さと豊麗さ、豪快さと繊細さを併せ持つ作品の世界を私たちに残してくれました。 ブリヂストン美術館の創設者石橋正二郎は戦前、最晩年の藤島武二と接し、彼が終生手放そうとしなかった《黒扇》などを購入しました。このことは1952年の美術館創設のきっかけの一つです。こうした歴史を持つ当館は、このたび、多くの美術館や個人所蔵家から藤島武二の代表作品をお借りします。初期から晩年までの約160点を一堂に展示して、この画家の全貌をご覧いただきます。
|
||||||||||
|
||||||||||||
|
クラーク財団日本美術コレクション 「アメリカから来た日本」展 クラーク財団は、日本美術をこよなく愛するウィラード・クラーク氏と彼の妻であるエリザベス夫人によって、1996年にカリフォルニア州のセントラルバレーにあるハンフォードで設立され当地では珍しい日本美術を収集展示する施設を公開するとともに、その研究センター(クラーク財団ルース・アンド・シャーマン・リー日本美術研究所)を開設しています。 そのコレクションには、鎌倉時代の「木造 大威徳明王像」に代表される仏教彫刻に加え、狩野探幽、池大雅、長澤芦雪、曾我蕭白、酒井抱一、狩野芳崖といった著名な画家が描いた屏風や掛軸など、日本の中世から近代にいたるまでの貴重な優品が多数含まれています。 それらの個々の作品には、自然のもつ美しさへの深い愛情とともに、異国の宗教美術に対するクラーク氏の真摯な態度や、江戸庶民の暮らしぶりへの温かな共感を見ることができます。いわばシリアスな精神と、ユーモアあふれる眼差しという、普遍的な人間性の両面に支えられた、アメリカのコレクターならではの卓抜な審美眼がうかがわれます。 今回の展覧会は、長らく全貌の紹介が待たれていたクラーク財団のコレクションの中から厳選した貴重な優品94点により、わが国における初めての本格的な紹介となるものです。
|
|||||||||||
|
||||||||||||
|
イタリア・ファエンツァ国際陶芸博物館所蔵 「マジョリカ名陶展」 イタリアのマジョリカ陶器は酸化錫を用いた白色不透明の釉薬(うわぐすり)がかけられた陶器で、中世末期からルネサンス時代を通じて、イタリア各地で生産され、ヨーロッパ諸国に広く知られていました。 初期のマジョリカ陶器は緑や褐色など釉薬の色彩も限られており、また、絵付けも比較的、素朴でしたが、特に15世紀後半からは、華やかな多色絵付けが行われるようになり、文様も複雑化、さらに陰影を付けた絵画的な表現がたいへんに高度化することにより、ルネサンス時代の装飾芸術を代表する分野として発展しました。 明るく、あたたかみのある色彩や流麗な描線など造形的な特徴と同時にさまざまな図像や模様にルネサンス時代のイタリアの美意識や精神性が反映され、歴史的な興味をかき立てる魅力を持っています。 マジョリカ陶器の生産地のなかでも、特にイタリア北部の都市ファエンツァはフランス語で陶器を意味するファイアンスの語源となるほど歴史的に重要な窯であり、今日でもイタリアの中心的窯業都市です。 本展は同地にあるファエンツァ国際陶芸博物館のコレクションから特に優れたマジョリカ陶器94作品とマジョリカ陶器の発生に大きな影響を与えた東洋陶器の歴史的な陶片21点等を展示し、14世紀から17世紀に至るイタリア・マジョリカ陶器の全容を歴史的展開に即して紹介します。
|
|
|||
|
|||
|