メキシコ国境に近いテキサス州マーファに、Dia美術財団が購入した340エーカーの旧軍隊駐屯地を引き継ぎ、ミニマル・アートの代表的アーティスト、ドナルド・ジャッドが1978年に設立した財団。「チナティ」の名称は付近の山の名前から取られた。ジャッドは、キュレーターの介入が避けられない美術館や画廊での展示に不満を持ち、拠点をニューヨークからこの地に移すとともに、旧駐屯地の建物を改修し、自分の大規模な作品をインスタレーションとして半永久的に展示した。旧大砲格納庫に100点のアルミニウム・ピース、野外には15点のコンクリート・ピースがあるほか、自動車を用いたジョン・チェンバレンの作品のコレクション、ロシアのイリヤ・カバコフによるインスタレーションなどがある。また、アーティスト・イン・レジデンスや企画展も行なっている。1991年のジャッドの死後も、財団は活動を継続しているが、以前の活動はジャッドの個人的な交友関係に負っていた部分も多く、現在、さまざまな困難に直面している。
参考文献:「ドナルド・ジャッド1960−1991」展カタログ(埼玉県立美術館、滋賀県立美術館、1999)
(鷲田めるろ)
関連URL
●D・ジャッド http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/nmp_j/people/d-judd.html
●I・カバコフ http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/nmp_j/people/i-kabakov.html
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