絵画を構成する要素のうちで、線、素描、形態、奥行き、遠近法などよりも、色彩を重視して絵画制作を行なう画家のことを総称してコロリストと言う。光や色彩の表情を画面に描き出そうと試みたヴェネツィア派の画家たち、パレットの絵の具に黒を混ぜ合わせて作る鈍い色を忌み嫌い、三原色の調和や、色調分割の手法を試みたロマン派のドラクロア、近代においては特に印象派やフォーヴィスムの画家たちなどのこと。19世紀におけるヘルムホルツやシュヴルールなどの色彩論の研究の影響を受けながら、印象派の画家たちは対象の固有色を否定し、光によって微妙に変化する色彩の揺らめきを画面の中に作り出した。またマティスに代表されるフォーヴの画家たちは対象の固有色から色彩を解放し、色彩相互の調和関係を追求した。
(平芳裕子)
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