1967年、ジャンカルロ・ポリティによりアート・ジャーナルの形で創刊され、74年より雑誌形式となった後、ほぼ隔月で発行されている美術雑誌。現代美術のみを扱った雑誌としては最も古い。発行元はミラノにあるが、世界的な情報網、販売網を有する。発行部数は国際版5万5千部、イタリアの現代アート・シーンを中心に扱った、編集の異なるイタリア版4万部。発行者ジャンカルロ・ポリティが長きにわたって編集者を務め、これまでにアルテ・ポーヴェラ、コンセプチュアル・アート、ミニマル・アートなどの動向を大きく取り上げてきた。現在も、各地で活躍するアーティストをいち早く丁寧に取材。インタヴューなどによりアーティストの生の声を伝えるなど、ジャーナル的な性格を保ちつつも、展覧会評をはじめ、「Flash
Art Reviews」の項における、美術史家などによる論評にも注力。またガタリ、ボードリヤール、クリスティヴァ、浅田彰などを彼らのテキストと共に取り上げてきた。簡潔にまとめられたテキストを多数掲載し、美術関係者のみならず、一般の読者をも巻き込んだ熱い論争の場たらんとする。
(柴田勢津子)
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