 |
大岩オスカール幸男「牛が見た風景」 |
|
4/3~5/2 フジテレビギャラリー[東京]
4/3~5/10 第一生命南ギャラリー[東京]
|
|
 |
|
これほどなんのてらいもなく物語画を描ける画家が日本にいるだろうか。いない。オスカール自身もニューヨーク行っちゃうし。けっして技術的に達者なわけではないし、環境問題に対するメッセージも陳腐なほどだ。でも昨今の絵画のように、貧弱なコンセプトと拙い技術を口当たりのいい糖衣でくるむようなごまかしや小賢しさがない。なにより描くことの喜びがひしひしと伝わってきて、見ていて楽しい。雪に埋もれる白雪姫と7人の小人を描いた《白雪姫》という作品を見て、映画『A.I.』を思い出した。そうか、オスカールは日本の絵画のスピルバーグだったんだ。
[5月1日(水) 村田真] |
|
|
|
フィリップモリスK.K.アートアワード2002「ザ・ファースト・ムーヴ」 |
|
4/27~5/6 東京国際フォーラム展示ホール |
|
 |
|
|
1095件の応募のなかから1次審査で選ばれた57作家の作品展示。ひとつひとつの作品は悪くない。街の画廊で見かける作品群よりずっとレベルは高い。なのに全体としてチャラチャラと安っぽく感じるのは、会場のせいだろうか、展示が悪いからだろうか。だいたい平面作品を発光壁に飾るってどういう発想だ? それぞれブースに分けて個展形式で発表させたらもっとよく見えただろうに。まあ、なんでもありのコンペだから、展覧会としていいの悪いのって話でもないけど。
[5月1日(水) 村田真]
|
|
|
 |
玉井健司・タイテツヤ・中埜幹夫3人展/板谷奈津個展 |
|
4/4~31 ギャラリーツインスペース[大阪] |
|
 |
|
|
 |
板谷奈津作品 |
 |
玉井健司作品 |
元日下画廊だったスペースが同じ空間とは思えないほど様変わりし、ギャラリーツインスペースとしてオープンした。オーナーの中村さんは念願かなってのギャラリー運営に熱意を燃やしている。そんなわけで、第1弾となる展覧会はギャラリーがイチオシしたい若手アーティストで固めていた。いずれもこのサイトで紹介したことのある作家ばかり。テイストは違うが、それぞれの視点からしっかりものをとらえるアーティストたちばかり。それほど大きくないスペースではあるが展覧会も充実していた。
[5月6日(月) 原久子] |
|
|
|
松方・大原・山村コレクションなどでたどる「美術館の夢」 |
|
4/6~6/23 兵庫県立美術館[神戸] |
|
 |
|
|
世間は連休だったことを忘れて、美術館に行ったところ、チケットを買うにも列が出来ていた。神戸港に面して新しくできた兵庫県立美術館は、安藤忠雄の設計。羊羹が三本並んだような棟が、いずれもガラス張りでぐるりに回廊がある。その内側に展示室がある。高い壁に取り囲まれて……建築の話しは専門家に任せるとして、いや、それにしても動線のこのうえなく悪い建物だ。そんなことはともかくとして、第1回企画展のほうは日本における美術館の誕生からはじまり、日本で美術が受容されてきた流れを概観することのできる見ごたえのある展覧会だった。写真を撮るために展示室の端からずっと観覧者の様子を見ていて印象的だったのは、館蔵品の現代美術の展示にも、細部(部分)をなぜか一生懸命に見てゆく人が多かったことだ。
[5月6日(月) 原久子] |
|
|
 |
大森裕美子展 ongoing |
|
5/7~25 SAI ギャラリー[大阪] |
|
 |
|
|
ゴムの質感というのは、シリコンとも違うなんとも言えないものだ。そんなゴムを素材として制作を続ける大森裕美子。同じ大きさの輪が壁に垂直に並んでいる作品を見て、シャープな線とグリッドが特徴のジャッドを思い出した。そう口にすると、画廊主に「皆そうおっしゃいます」と言われた。まるくて、フニョフニョした質感はジャッドのものとは正反対なのだが、対比させるためにわざと大森が似せたのだろう。彼女の思惑通りハメられてしまったのかもしれない。
[5月9日(木) 原久子] |
|
|
|
みうらじゅん3本立! |
|
4/27~5/15 ラフォーレミュージアム原宿/LAPNET
SHIP[東京] |
|
 |
|
|
みうらじゅんのライフワークともいうべきエロスクラップ全100冊御開帳をはじめ、自分の好きなものだけを描いたペインティング、思いっきりくっだらねえフェロモン・レコードコレクションなど、とても楽しめた。このしょーもない努力、自分への徹底したサービス精神はアートにも通じますね。アートじゃないけど。
[5月9日(木) 村田真] |
|
|
 |
雪舟 |
|
4/23~5/19 東京国立博物館 |
|
 |
|
|
ものすごく混んでるけど、金曜の夜ならおばちゃんたちは少ないと主催の毎日新聞社の記者から聞いていたので、西洋美術館の「プラド美術館展」を再訪してから夜7時ごろ東博へ。それにしてもやっぱりベラスケスはいい。超一流と二流は2倍しか違わないのではなく、10倍も100倍も違うということをあらためて実感できた。それはやっぱり油絵ならではのこと。それに比べれば雪舟は脆弱に映る。でも、展覧会としては量的にも質的にも破格だった。1時間あれば見られるだろうと思ったら大誤算、夜とはいえ混み混みで、最後のほうは閉館まぎわで駆け足になってしまった。
[5月10日(金) 村田真]
|
|
|
|
|
|