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展覧会レビュー

村田真 原久子

片岡健二展
5/21〜6/2 同時代ギャラリー[京都]
 
 
片岡健二展
片岡健二は同じ女性モデルの顔をずっと描き続けている。無表情だった顔も、口元に笑みがこぼれるようになり、次第にモデルの表情が豊かになってきた。この個展では絵具ののせ方の変化に注目。絵具を置いた場所、塗残した場所。全体の様子。だがなにを実験しようとしているのが伝わりにくいのが残念。
[5月24日(金) 原久子]
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Kyoto Night Map 2002
5/24 新風館[京都]
 
 
Kyoto Night Map 2002
京都市内の画廊16軒が集まって催している Kyoto Art Map。関連イベントのひとつというか、これがパーティの余興(?)イベント。ログズギャラリーのパフォーマンスからはじまる。3台のシトロエンに乗り込んだ2名ずつのパフォーマ−たち。同じクルマを使っていても、まるで楽器のように、パフォーマ−によってまったく異なるサウンドが出ていた。京都のクラブシーンではお馴染みのDJ ShinomiyaがDJを担当、上海ラブシアターがいつものようにゴージャスなショーを見せてくれた。
[5月24日(金) 原久子]
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  蔡国強の茶室―岡倉天心へのオマージュ
  5/25〜9/23 彫刻の森美術館[神奈川]
 
 
蔡国強の茶室―岡倉天心へのオマージュ
彫刻の森に茶室があるなんて知らなかった。開館4年目の1972年に建てられたが、1997年に閉じたそうだ。その茶室を現代美術の場に再生しようという企画の第1弾がこれ。はたして蔡がなにをするかと思ったら、なーんにもしなかった。障子を取っ払って壁に映画『利休』を映写し、庭に舞台照明用のスポットライトを当てただけ。この日はオープニングだから茶会があったけれど、わざわざこれだけを見に訪れる人たちはきっと「カネ返せ」と叫ぶだろう。セレモニーのあと、ペヨトル工房から出版された蔡の『宇宙中的長城』を100冊ほど並べ、そのうえに火薬を仕掛けて爆発させ、焦げた本を1冊2万円で売りさばいていた。要するにプレミアつきの在庫一掃セール。
[5月24日(金) 村田真]
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美術館の夢
  4/6〜6/23 兵庫県立美術館
 
 
美術館の夢
今日はひとりで関西アートツアー。まずは神戸へ。この春開館したばかりの兵庫県立美術館は安藤忠雄の設計。建物はデカイというか、はっきりいってウドの大木である。展示室は3階にあるのだが、いつものように最後の部屋まで来て戻ろうと思ったら逆流禁止、もういちど入り口にまわるしかないという。しかも入り口に行くにはいったん1階に降りてバカでかい建物を迂回し、もういちど3階まで昇らなくてはならなかった。2階にあるレストランに行くにも1階まで降りてまた昇らなくてはならないのだ。こんなバカな建築あるか! また天井が高いので展示室の上半分はまったく無駄。安藤忠雄は小ぶりの建築は実にうまいが、巨大建築でもプロポーションはそのまま、単にスケールアップさせただけのマヌケな建築をつくるようだ。しかし私は建築ではなく、展覧会を見に来たのだ。「美術館の夢」は、明治初期の博覧会から、高橋由一の構想した螺旋展画閣、松方・大原・山村コレクションまで、日本における美術館の生成を作品と資料で見せるきわめて興味深いもの。最近、美術館が「美術館」をテーマに展覧会を組みたてることが多いが、これはその基礎をなす貴重な展覧会である。カタログ2000円もお買い得。やっぱり来てよかった。
[5月25日(土) 村田真]
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  藤本由紀夫展 in/out
  5/18〜6/16 京都芸術センター
 
 
藤本由紀夫展 in/out
神戸の次は国立国際美術館へ行くつもりだったが、兵庫県美でたっぷり時間をとられたので、大阪を素通りして京都へ。京都芸術センターは南北ふたつのギャラリーに分かれていて、南ギャラリーでは、角砂糖をつめたガラス製シリンダー2本を離れた場所でゆっくり回転させ、カサ…コソ…というかすかな音を響かせる。北ギャラリーでは壁4面の上方に4台のキーボードを吊り下げ、やかましい不協和音のシャワーを浴びせる。前者にはピンスポ、後者には白けるような光が当てられている。どちらもヴェネツィア・ビエンナーレに出ていたものだ。作者によれば、タイトルの「in/out」の「/」、ヴェネツィアのテーマだった「FASTand SLOW」の「and」の存在に惹きつけられたという。さすが藤本由紀夫、あなどれない作家である。
[5月25日(土) 村田真]
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  art in transit
  5/24・25 ザ・パレスサイドホテル[京都]
 
 
art in trnsit
ホテルの客室に5年がかりで作品を設置していくプロジェクト。昨年から年2回行なわれ、1回に6人のアーティストが作品を制作し、2005年には60室に作品が常設展示される予定だ。今回はその3回目、計18室(18作品)が一般公開された。これだけなら珍しくもなんともない。ホテルの客室にはたいてい版画の1点くらいは飾ってあるからね。このプロジェクトのポイントは、参加アーティストがその客室に2日間滞在し、その間に制作・設置すること。たとえば、伊藤存はベッドカバーに刺繍を施し、小山田徹はホテル周辺で拾ったガラクタを小さな板に貼りつけて展示し、金村仁は掃除機の先にビデオカメラを装着して客室を掃除し、その映像をビデオで流す、といったように。なかにはできあいの絵を展示しただけのものもあるが、多くはその場で発想され、その場のためにつくられたオーダーメイドのインスタレーションなのだ。このプロジェクトの成否はアーティストのセレクションにかかってますね。
[5月25日(土) 村田真]
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鈴木昭男展
5/21〜6/9 アートスペース虹[京都]
 
 
鈴木昭男展
京都ついでに、「Kyoto Art Map 2002」を手に原Qの庭を荒らしまわる。でも疲れたから神宮道・蹴上エリアの3軒だけ。虹では、中央にチューブ状の穴の開いたセメントの立方体が四隅に積み上げられている。なかをのぞくと青い光が見え、心地よい音が聞こえる。「なげかけ」と「たどり」。久しぶりです昭男さん。午後6時からのトーク&パフォーマンスに参加できなくて残念でした。
[5月25日(土) 村田真]
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