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展覧会レビュー

村田真 原久子

バルセロナ散歩1
 
  この秋、上野の森美術館で開かれる「ピカソ展」(9/21-12/8)の前取材として、ピカソが青年時代をすごしたバルセロナと、生まれ故郷のマラガをたずねるツアーに参加。岡村多佳夫さんをガイド役に、メンバーは新聞記者や雑誌編集者ら10人を超す。バルセロナは17年ぶりだ。昨晩到着し、今日は朝からピカソゆかりのアヴィニョン通りやサンタマリア・デル・マール教会、近代美術館を訪れたあと、なぜか動物園で白ゴリラを鑑賞。タピエス美術館にも寄って、夜はピカソが入り浸っていたという伝説的なカフェ、クアトロ・ガッツ(4匹の猫)でディナー。ハモンがうまい。ワインもうまい。帰って寝る。
[6月13日(木) 村田真]
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ピカソ美術館
 
  今度の「ピカソ展」は「天才の誕生」と銘打ち、初期作品にスポットを当てるもので、バルセロナのピカソ美術館から200点を超す出品となる。ピカソ美術館はバルセロナのほか、パリや南仏のアンティーブとヴァロリスにもあり、彫刻の森にもピカソ館が併設されてたりして、いったい世界中に何館あるのやら。バルセロナのコレクションは、900点もの初期作品と晩年の「ラス・メニーナス」の連作が中心。だけどここのいちばんの魅力は建物だ。14世紀から建て増しされた貴族の館を改装したもので、実に味わい深い。現在、さらなる拡張工事が進んでいて、もうすぐ休館になるという。だからこんなにたくさんのコレクションを貸し出してくれるんだね。館長は不在で、副館長のルイス・バグーニャに話を聞く。ちっともリップサービスしてくれない冷静な男だった。通訳はバルセロナに住む旧知の浅倉協子さんと旦那さん。港のレストランでランチして、ホテルに戻ってシエスタしました。
[6月14日(金) 村田真]
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今村哲展「浮いている」
  6/8〜7/6 mori yu gallery[京都]
 
 
今村哲展「浮いている」

大きな物語と小さな物語が入れ子構造になって一つの作品のなかに凝縮されている。赤い風船のなかに人が入って空をふわふわ浮いている様子を描いていたり、水のなかで浮いている少年たちを描いていたり。今村自身による小説風のテキストは、なんだも留めたがる“固定マニア”が、「さよなら みなさん 私は行きます。」と空に浮んでいくところからはじまっている。不思議なことに、見ていると自分まで地面に足がついていないような浮遊感を感じるようになった。ナゼ??
[6月14日(金) 原久子]

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バルセロナ散歩2
 
  本日はバスを借り切って全員でガウディめぐり。まずはサグラダ・ファミリア教会へ。17年前には「降誕のファサード」しかできてなかったが、反対側の「受難のファサード」が完成し、正面の「栄光のファサード」もずいぶん工事が進んでいる。おまけに鐘塔にはエレベーターまでつけられているではないか。やっぱりサグラダ・ファミリアは螺旋階段を昇んなきゃ、といいつつエレベーターに乗る。その後、ガウディの処女作カサ・ビセンスやグエル公園、グエル別邸などを見て、モンジュイックの丘のミロ美術館とカタルーニャ美術館を訪問。ミロ美術館はミロ財団が運営し、若手作家の企画展にも力を入れている。カタルーニャ美術館では、この地方の教会から引っぺがしてきた中世の壁画を堪能。夜は浅倉夫妻の案内で、丘のうえのラ・ヴェンタで遅い食事。うまいのなんの。
[6月15日(土) 村田真]
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  アサヒ・アート・コラボレーション
リクリット・ティラヴァーニャ〜すみだ川モード展
リクリット・ティラヴァーニャ+島袋道浩 「料理と美術と川と海」
6/14〜7/14 すみだリバーサイドホール・ギャラリー[東京]
 
 
アサヒ・アート・コラボレーション

島袋は彼のプロジェクトというか、行為そのものが作品。そんな彼の作品には川を旅する間にピクルスをつくった「キュカンバー・ジャーニー」など海や川、旅にちなんだものがけっこうある。島袋から彼の作品のプレゼンテーションがあり、リクリットとの対話が若干あった。島袋の話しも面白かったが、それを喰ってしまう勢いだったのが、映画「ゴジラ対ヘドラ」の監督・板東さんだ。リクリットがホールの近所のインターネットカフェで知合ったというこのおじいさんはタダモノではなかった。監督からいろんな秘話も聞けて、子供の頃に観た映画を監督といっしょに見れるなんて感激だった。それも東京湾のヘドロから産まれたヘドラを主人公にすえた映画で、これまたお題とキチンと整合性がある。板東さんはノリノリでどんどん話してゆく。最後にはリクリットのつくったカレー風味の麺と島袋のつくったミニトマトのピクルスを食べて散会。二次会は雷門の近所のバーでみんなでW杯を見ながら打ち上げでした。
[6月15日(土) 原久子]

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バルセロナ散歩3
 
 
バルセロナ散歩3
今日はひとりで現代文化センターと現代美術館へ。現代文化センターではガウディ生誕150年を記念して「ガウディの宇宙」展が開かれている。同時代の絵画、彫刻、写真から、ガウディの使った建築模型や実験道具まで展示。壁を黒く塗り、導線を迷路みたいにするなど、なかなか凝っている。リチャード・マイヤー設計の現代美術館では、「ソニック・プロセス」という音と映像の展覧会を開催中。出品はマイク・ケリー、ダグ・エイケン、ガブリエル・オロツコなど。夕方、飛行機でスペイン南端の町マラガへ。日曜のせいか街は閑散としている。いかにも庶民的なバルで夕食。
[6月16日(日) 村田真]
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蹴鞠展
  5/28〜6/30 埼玉県立博物館[埼玉]
 
  静岡県と肩を並べるサッカー王国・埼玉県ではワールドカップを記念して蹴鞠展をやっていた。日本代表のジャパン・ブルーのユニフォームに公式ボールがまず入口に展示されていて、「ん?」って感じだったが、お祭りをいっしょに盛り上げようとする心と理解。蹴鞠の装束やいろんな鞠。蹴鞠の様子が描かれた絵巻物。模写だったが、「鳥獣人物戯画」のなかでカエル等が蹴鞠をする場面など。京都の飛鳥井家伝来のサッカーのフォーメーション図(?)にも似た鞠を蹴ってゆく順番を記した図などを堪能。ちょっと蹴鞠通になった気分で帰路につく。
[6月16日(日) 原久子]
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