大きな物語と小さな物語が入れ子構造になって一つの作品のなかに凝縮されている。赤い風船のなかに人が入って空をふわふわ浮いている様子を描いていたり、水のなかで浮いている少年たちを描いていたり。今村自身による小説風のテキストは、なんだも留めたがる“固定マニア”が、「さよなら みなさん 私は行きます。」と空に浮んでいくところからはじまっている。不思議なことに、見ていると自分まで地面に足がついていないような浮遊感を感じるようになった。ナゼ?? [6月14日(金) 原久子]
島袋は彼のプロジェクトというか、行為そのものが作品。そんな彼の作品には川を旅する間にピクルスをつくった「キュカンバー・ジャーニー」など海や川、旅にちなんだものがけっこうある。島袋から彼の作品のプレゼンテーションがあり、リクリットとの対話が若干あった。島袋の話しも面白かったが、それを喰ってしまう勢いだったのが、映画「ゴジラ対ヘドラ」の監督・板東さんだ。リクリットがホールの近所のインターネットカフェで知合ったというこのおじいさんはタダモノではなかった。監督からいろんな秘話も聞けて、子供の頃に観た映画を監督といっしょに見れるなんて感激だった。それも東京湾のヘドロから産まれたヘドラを主人公にすえた映画で、これまたお題とキチンと整合性がある。板東さんはノリノリでどんどん話してゆく。最後にはリクリットのつくったカレー風味の麺と島袋のつくったミニトマトのピクルスを食べて散会。二次会は雷門の近所のバーでみんなでW杯を見ながら打ち上げでした。 [6月15日(土) 原久子]