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アクアチント

Aquatint(伊)
更新日
2024年03月11日

腐蝕による凹版技法(間接法)の一種。制作過程は次の通り。(場合によって腐蝕させない部分に防蝕剤を塗布した後)松脂やアスファルトの粉を版面に振りかけてから加熱定着させる。これを腐蝕液につけると粉のついていない部分が腐蝕して凹み、版が砂目状になる。さらに腐蝕液もしくは防腐剤の塗布と腐蝕を繰り返して濃淡を調整し、印刷する。腐蝕時間の変化や松脂の粒子の大きさでも濃淡の調子を表現でき、線で凹凸を作るエッチングなどと異なり面で表現可能な点に特徴がある。単独で用いられることは稀で、エッチングと併用されることが多い。これに類する方法は古くから試みられていたようだが、開発されたのは1760年代のフランスとされる。デッサンや水彩の効果を再現するために考案され、絵画を複製する際に線に転換しなければならないエングレーヴィングやエッチングに比べて飛躍的に再現度を上げることになった。作品としてこの技法を最も効果的に用いたのがゴヤである。

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補足情報

参考文献

『版画事典』,室伏哲郎,東京書籍,1985
『改訂版 版画の技法と表現』,町田市立国際版画美術館編,町田市立国際版画美術館,1991