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アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ

American Way of Life
更新日
2024年03月11日

「アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ」とは、1950年代、特に朝鮮戦争の終戦直後に、アメリカで敷衍した大衆消費文化、及びそれを基盤とする豊かなライフスタイルを指す。衣・食・住の典型的なコンテンツとしては、郊外型の庭付き(量産)戸建住宅、システム・キッチン、シアーズの通信販売カタログに掲載されるようなノックダウン式の家具(多くはベントウッド製の量産メーカー・デザイン)とDIY用品、生活のあらゆる局面に供する家庭電化製品、プラスティック製・使い捨ての食器、大型の自家用車、鮮やかな色・柄の合成繊維によるカジュアル・ウェア、ジーンズとスニーカー、調理済みの冷凍食品、スナック菓子、コカコーラなどが挙げられる。それらの商品を、ファミリー向けTVドラマさながらの「健康で屈託がない家庭(核家族)」が消費するというのがアメリカン・ウェイ・オブ・ライフの一般的な構図である。自家用車に依存する家族参加型のレジャー(ドライヴは元より、郊外型の大型ショッピング/アミューズメント・センターでショッピング、外食、映画のほか、バーベキューや大衆スポーツなど)も、「それらしい」ライフスタイルの一翼を成した。彼らのマインドは、強いアメリカ、資本主義、リベラリズム、中庸の礼賛などの価値観に基づいており、「消費」という営為によって、これらを実感・体現することがよしとされた。

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