Artwords®

アルゴリズム・デザイン

Algorithm Design
更新日
2024年03月11日

物事や問題解決の手順・方法について、最適なものを見つけ、定式化することを「アルゴリズム」と称する。本来は、数学で使われてきた概念・+F64表現だが、現代では、コンピュータ領域(情報科学)で用いられることが多い。一方、デザインの発想も、さまざまな条件や制約を前提に、具体的なニーズを満たす「よりよい・最も望ましい解」を追求する営為にほかならない。したがって、本質的にデザインの領域では、アルゴリズム的な考え方が求められ、また、アルゴリズムを応用したデザインの手法も、昨今では有効とされる。例えば、家庭電化製品や自動車などの開発・スタイリングにおいて、テクノロジーに関わる諸条件、市場動向、モデルチェンジの変遷などの分析とCADを組み合わせて、最適なフォルム、無数のヴァリエーションを効率よく導き出すことが挙げられる。よって、二つの語句を並べた「アルゴリズム・デザイン」とは、複雑で高度な問題に際して、その解決につながる平明な定式化をどのように発見するか、そして、より具体的な問題解決において、アルゴリズムをどのように実践すればよいかを説くもので、広義の「デザイン」(という営為)と捉えるべきだろう。

著者

補足情報

参考文献

『アルゴリズムデザイン』,J.Kleinberg、E.Tardos(浅野孝夫、浅野泰仁、小野孝男、平田富夫訳),共立出版,2008