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アート系カメラマン

Art Oriented Photographer
更新日
2024年03月11日

現代アートの作品は、写真によって表象されることが多い。図録にせよ美術雑誌にせよDMにせよネット上の画像にせよ、それらに掲載される写真が、モノとしての作品とは別に、イメージとしての作品を形成している。事実、平田実によるハイレッド・センター《首都圏清掃整理促進運動》(1964)や、村井修による関根伸夫《位相―大地》(1968)など、モノとして現存していない作品は写真というイメージに大きく依存せざるを得ない。私たちの脳裏に作品のイメージを焼きつける写真家は、現代アートの歴史化にとって必要不可欠な存在になっているわけだ。その意味では、モノとしての作品を制作するアーティストと、そのイメージとしての作品を撮影する写真家は、ある意味で共同作業をしているといってもいい。1940年代後半から50年代前半の『美術手帖』には土門拳が、50年代の『芸術新潮』には大辻清司が、それぞれ深く関わっていたし、他にも酒井啓之、安斎重男、山本糾といった写真家がイメージとしての作品を制作している。

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参考文献

『現代アートシーン:1960年代・1970年代・1980年代の222人:酒井啓之写真集』,酒井啓之,美術出版社,2008
『超芸術 前衛美術家たちの足跡 1963-1969』,平田実,三五館,2005