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『ヴォーグ』

Vogue(仏)
更新日
2024年03月11日

1892年にアメリカで創刊された女性ファッション誌。当初は社交界向けの週刊情報誌であったが、1909年にコンデ・ナスト社に買収されたのを機に、高級ファッション誌へと生まれ変わる。10年代から20年代には、気鋭のイラストレーターが多数起用され、アメリカ出身のジョージ・W・プランクやヘレン・ドライデン、また25年にフランスの高級誌『ガゼット・デュ・ボン・トン』と合併して以降は、同誌で活躍していたジョルジュ・ルパップやエドゥアルド・ベニートらの斬新なイラストが表紙を飾り、アール・デコ期のグラフィック・デザインの隆盛に大きく貢献した。その一方で、写真というメディアにもいち早く注目し、10年代後半以降、エドワード・スタイケンやアーヴィング・ペン、リチャード・アヴェドンなど、各時代を代表する写真家の実験的な写真の数々が、ファッション写真の歴史を紡ぎ出してきた。また『ヴォーグ』の顔であるアメリカ版の編集長を務めたダイアナ・ヴリーランドやグレース・ミラベラ、アナ・ウィンターなどの存在も良く知られている。その影響力は多大で、これまでにも多くのデザイナーや写真家、モデルが才能を発掘され、世に送り出されてきた。今日ではインターネットの普及に伴う雑誌離れも叫ばれるが、電子書籍版の配信や、バックナンバーのデジタル・アーカイヴ化など、時代の変化に対応しながら、世界で最も影響力があるファッション雑誌として、本国アメリカをはじめ世界18カ国で出版されている。

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補足情報

参考文献

In Vogue: The Illustrated History of the World’s Most Fames Fashion Magazine,Alberto Oliva,Norberto Angeletti,Rizzoli,2006
Vogue: The Covers,Dodie Kazanjian,Harry N. Abrams,2011
『ヴォーグ・ブック・オブ・ファッション・フォトグラフィー』,ポリー・デヴリン(深井晃子訳),東京プレスセンター,1991