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大原美術館

Ohara Museum of Art
更新日
2024年03月11日

岡山県倉敷市にある美術館。1930年に紡績業で財をなした実業家の大原孫三郎が「広く社会に意義あること」を理念として創設した。大原と親交のあった洋画家の児島虎次郎によって現地で集められた印象派を中心とする西洋絵画と、開館の前年に亡くなった児島の遺作、そして古代オリエントの彫刻をコレクションの基礎とする。戦前の日本において、エル・グレコ、クールベ、モネ、ルノワール、ゴーギャン、マティスなど西洋美術の優れた作品を一堂に観ることができる唯一の場所であった。それはまた、美術館といえばコレクションを持たない陳列場を指すことが普通であった当時の日本において、希有な存在であったともいえる。太平洋戦争後、孫三郎の子・大原總一郎によってコレクションは多角的に広がり、日本近代美術、中国の石仏、民芸なども展示されるようになり、館内の建物も拡張していった。現在は、西洋美術・日本近代美術を展示する本館、工芸・東洋館、児島虎次郎記念、分館からなる。近年は現代美術の企画展示や教育普及に努めていることでも知られる。

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補足情報

参考文献

「大原總一郎生誕100年記念 大原總一郎の美術館創造」展カタログ,大原美術館,2009