岡倉天心没後100年
- 100th anniversary of Tenshin Okakura's death
- 更新日
- 2024年03月11日
2013年の岡倉天心(1862-1913)没後100年を記念し、その前後の年も含めて、岡倉や日本美術院に関する数多くの展覧会、出版物、映画、関連イベントなどが登場した。2013年の展覧会では、「横山大観 良き師、良き友」展(横浜美術館)、「生誕150年・没後100年記念:空前絶後の岡倉天心」展(福井県立美術館)、「生誕140年記念:下村観山」展(横浜美術館)があり、続く2014年初頭には「日本美術院再興100年特別展 世紀の日本画」(東京都美術館)が多くの観客を集めた。2013年の出版物では、古田亮監修『別冊太陽:岡倉天心 近代美術の師』(平凡社)、佐藤志乃『「朦朧」の時代 大観、春草らと近代日本画の成立』(人文書院)のほか、その前後の年にも多くの研究が登場した。そして、2012年4月に東日本大震災の津波で流された六角堂(岡倉天心 が茨城県五浦に建設した建物。日本美術院の聖地)の再建が行なわれ、2013年9月に竹中直人が主演した復興支援映画『天心』が公開されたことは、美術の枠を超えた大きなニュースとなった。これら建築や映画に見るように、「復興」にともなう日本の良き時代の回顧として、明治から大正初期にかけての岡倉天心が社会的な注目を集めたという側面もある。
補足情報
参考文献
『生誕150年・没後100年記念:岡倉天心』,福井県立美術館,2013
『横山大観展 良き師、良き友』,横浜美術館,2013
『下村観山』,横浜美術館,2013
『「朦朧」の時代 大観、春草らと近代日本画の成立』,佐藤志乃,人文書院,2013