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オートクローム

Autochrome
更新日
2024年03月11日

世界ではじめて商業化されたカラー写真法。じゃがいもの澱粉を三原色に染めたものを均一に混ぜ、ガラス板に散布したのちに、黒い粉を乗せて、光を遮断。その上をニスと感光性のある乳剤で覆って原板を作り、撮影したあとに反転現像処理すると、カラーのポジ画像が得られる。1903年にフランスのオーギュスト・リュミエール、ルイ・リュミエールの兄弟が発明し、特許を取得。07年から乾板の形で販売された。乾板のサイズは4.5☓6cmから13☓18cmまであり、ステレオスコープ用のサイズも作られた。コストの高さや、複製ができないこと、手順の複雑さなどのために、フォト・セセッションの写真家たちや、ピクトリアリズムの一部の写真家、ジャック・アンリ=ラルティーグのような裕福なアマチュア写真家などが主な使い手であったが、イーストマン・コダック社のカラー・リバーサル・フィルム「コダクローム」が登場する30年代半ばまでは、主要なカラー写真の作成法として用いられた。また、フランスの銀行家、アルベール・カーンは、1908年から30年にかけて、世界中へ写真家を派遣して、人々の日常の暮らしをオートクロームで撮影させた。残された72,000点にのぼる乾板は、20世紀初頭の世界を記録した貴重なカラー資料として、パリ西郊のブローニュ=ビヤンクールにあるアルベール・カーン博物館(旧アルベール・カーン邸)に収蔵されている。

補足情報

参考文献

『アルベール・カーン コレクション よみがえる100年前の世界』,デイヴィッド・オクエフナ,日本放送出版協会,2009
Albert Kahn et le Japan: confluences.,Albert Kahn,Musee departemental Albert Kahn,1992