企業メセナ
- Mécénat(仏)
- 更新日
- 2024年03月11日
企業が資金・人材・施設を提供して、文化・芸術活動を支援すること。日本では1990年に社団法人企業メセナ協議会が発足し、「企業が文化育成を補助」する立場で活動していたが、現在は公益社団法人として「社会貢献」という視点で展開している。優れたメセナ活動を表彰するメセナ・アワードを開催したり、記録を出版物としてまとめたり、東日本大震災に際して芸術・文化による復興支援ファンドを興したり、不景気のなかでもその役割を果たそうと活動している。企業メセナは、特にバブル期には、宣伝効果を期待する企業が大量の資金を文化・芸術事業に投入するという側面が強かったが、企業の広報・広告活動そのものが冷え込んでいる今日では、以前ほど大規模な活動は見られなくなっている。文化事業に対する国や地方自治体の予算が削減され、国民の可処分所得が減っていくなかで、民間企業がどれだけ文化育成の役割を果たしていけるのかがこれからの課題となっていくのであろう。