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キヤノン・アートラボ

Canon ARTLAB
更新日
2024年03月11日

キヤノン・アートラボは、1991年から2001年にかけてキヤノン株式会社が運営していた、アートとテクノロジーの融合に関する文化支援プロジェクトである。阿部一直と四方幸子のキュレーションの下、招聘したアーティストとキヤノン内部のエンジニアが協同し、作品に用いる技術そのものも新たに開発するというワーク・イン・プログレス形式で作品制作を展開していた。主な作品としては、回転するプロジェクターが映像を映し出す古橋悌二《LOVERS》(1994)、視線検出技術を用いた三上晴子《モレキュラー・インフォマティクス》(1996-)、ネットワークと物理空間とを組み合わせた江渡浩一郎による音響作品《サウンド・クリーチャーズ》(1998)などがある。特定の施設をもたず、主に東京周辺のさまざまな会場で年に1、2回の展覧会を開催し、同時期に活動を開始し97年に開館したNTTインターコミュニケーション・センターとともに日本のメディア・アートを牽引する存在であった。同時期にキヤノンが始めた文化事業には、新人作家の登竜門として知られる公募展「写真新世紀」があり、こちらは現在も続いている。

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補足情報

参考文献

Partner of Forerunners – Canon’s Cultural Suppor Activities [1991-2000],Toshiharu Ito,Barbara London,Siegfried Zielinski,Alex Adriaansens,Canon ARTLAB,Canon Inc.,2000